全国の職場で「給与制度の総合的見直し」の実施をめぐる交渉が山場を迎えつつある中、自治労連は2月1日に各規模別部会の代表の参加を得て、総務省に対する抗議・要請行動を実施しました。要請には、自治労連・田川英信副委員長を先頭に、京都府職労連・森吉治委員長(都道府県職部会長)、横浜市従・森田昌宏書記長(政令都市職部会事務局長)、大阪衛都連・荒田功委員長(都市職部会)、平泉町職・千葉徹特別執行委員(町村職部会代表委員)、自治労連・熊谷守朗賃金権利局長が参加。総務省から給与能率推進室課長補佐、公務員課課長補佐らが対応しました。

 冒頭、田川副委員長が、わずか1週間余りで372団体を集約した団体署名を提出。「『給与制度の総合image005的見直し』に自治体当局は戸惑い、職場には怒りが渦巻いている。今日の要請を通じ、職場の声を受け止め、総務省として『見直し』の押し付けを止めるよう要求する」と述べ、続いて各部会代表が職場からの率直な意見表明を行いました。

 京都府の「見直し」見送りはオール京都の声 

京都府職労連・森委員長(都道府県職部会長)

 京都府は、人事委員会、当局、組合、そして民間労組や中小業者などオール京都で、「見直し」は職場・地域への矛盾が大きいと、その実施を見送った。公務の給与制度を見直すことで地域の賃下げになってはならないし、また、東京と地方の格差を拡大してはならない。京都府は賢明な判断を行ったと考える。円安が進み、株価は上がったかもしれないが、京都の中小企業は原材料が25%上がっても従業員の賃金は下げられないと頑張っている。地域手当にしても大変な矛盾がある。「見直し」は誤った政策だ。京都府人事委員会は13回にわたり、調査結果を分析し議論してきた。この結論を重く受け止めるべきだ。

 

「見直し」は職員の生活にもやる気にも悪影響 

横浜市従・森田書記長(政令都市職部会事務局長)

 公務の賃金は、労働者全体の賃金、さらに地域経済の悪化につながるものであり、やめるべきだ。物価上昇のもとで、職員の生活も困難を抱えている。職場は人手不足で厳しい労働実態にあり、さらに非正規労働者が増加し続け、全体の賃金を押し下げることにもつながる。こうした中での「見直し」は職員のモチベーションを下げ、ひいては住民サービスにも影響しかねない。「見直し」は人事評価にもふれているが、かえって職場がギスギスし、職員同士の連携が崩れるのが現実だ。神奈川では、鎌倉市が議会の介入で、いきなり10%を超える賃下げが強行された。こうしたことも、「賃下げありき」の政府の姿勢の表れではないのか。

 

国と地方の違いを無視した押し付けはやめよ 

大阪衛都連・荒田委員長(都市職部会)

 「見直し」は国家公務員に対する人事院勧告を利用して、なんら根拠のない賃下げを地方に押し付けるものだ。先の平均7.8%の賃金削減と同様に、国がやることだから地方もというのは、あまりにも乱暴な話で自治体当局は困惑している。地公法にあるように、地方公務員の賃金決定原則は生計費だ。にもかかわらず、総務省の有識者検討会報告には、生計費という言葉すら出てこない。一方で、政府は「自律的労使関係制度(労働基本権)」は検討しようともせず、たたかう術をもたない公務の労働者に「見直し」を押し付けている。自治体の交渉では、当局が、わずかな賃上げと引き換えに、青年の将来設計にも大きく影響する「見直し」を実施したいと提案してきた。理由を尋ねれば、最後は人勧だからと言う。国では7割に支給される地域手当が、地方には3割しかない。国と地方は違うのに、なぜ働きづらい職場にするだけの「見直し」を押し付けられなければならないのか。

 

国では配分でも町村には賃下げ押し付け 

平泉町職・千葉特別執行委員(町村職部会代表委員)

 岩手県も「見直し」を見送ったが、国との違いに当局も戸惑っている。ほとんどの町村には地域手当はない。国は配分と言うが、町村は減らすだけ。強制的な賃下げに他ならない。これまでも定員適正化や、財政が厳しい自治体では独自削減も行って自治体を守ってきた。今回、「見直し」を行う何の合理性もない。町村役場は地域でも規模の大きな事業所であり、その賃金は、すぐに民間賃金に影響し、地元業者の売り上げに直結する。「見直し」は絶対にやめるべきだ。

  これに対し、総務省は、要請内容について「ご意見としてよく拝見したい」と述べるにとどまりました。自治労連は、「職場は『はらわたが煮えくり返る』思いだ。改めて、職場や地域の声を力にこの問題に対峙していく」と述べ、要請行動を終了しました。