『新制度』実施直前!公的保育制度を守るため、自治体保育労働者の誇りを胸に保育実践の質を高め、各地域で運動を前進させることを確認!

「子ども・子育て支援新制度」という公的保育制度が解体に道を開く制度の実施直前という重要な時期に開催となった、「第23回自治体保育労働者の全国集会in埼玉」には、2日間にわたり全国からのべ850名の参加者が保育をめぐる情勢を学び、各地の公的保育を守る取り組みや保育労働者がいきいきと働き続けるための取り組みを交流し、「新制度」による公的責任の後退を許さず、よりよい保育の実現をめざす運動をするための意思統一をおこないました。

 【全体集会:21日】

image003 忍城(おしじょう)おもてなし甲冑隊によるオープニング行事で開幕。高橋光幸・全国実行委員会実行委員長は「私たちの運動には『新制度』の施行というピンチを、公的保育拡充の道を切り拓くチャンスに変える可能性がある」。畔上勝彦・現地実行委員会委員長は、埼玉県内の公立保育所の廃止・民営化問題に対するたたかいや、開催地行田市の歴史や文化を紹介し、「全国の仲間が学び交流し、心をひとつにして、すべての子どもにより良い保育を実現させるため一緒にいい集会をつくりましょう」。福島功・自治労連保育闘争委員会委員長は、23回目となる集会の歴史を振り返り「この間の最大の教訓は、上部団体の違いを越えて一致する要求に基づく共同を広げながら、地域住民のみなさんとともに闘ってきたこと。そうした教訓をふまえ、いっそう大きな共同をつくっていきましょう」と挨拶しました。

【記念講演】盆栽化する社会と向き合う

 辛淑玉さんの記念講演では、講演者がフロアにおりてきて参加者に質問をする等びっくり! で始まり、みんながよく知る「桃太郎」に触れ、違う立場から観ると現実がみえてくると、鬼の側からすれば桃太郎に殺され財宝を奪われた。猿雉犬からすればぎび団子ひとつで鬼退治という殺し合いに行かされた現実。韓国のセウォル号事件にみる新自由主義の末路。「相手の側に立って想像する力の弱さ」「国家のために殺してもいい命(命の格差)」「特定秘密保護法の危険さ」、東日本大震災で亡くなられた南三陸町の職員を例に、美談に仕立てられた亡くなった命と、同じ被災者でありながら公務労働者だから休まず働いて当たり前の、生き残った地方公務員や教員に向けられる想い。最後に子どもたちのためにではなく、自分のために頑張れ。自分を大切にできない人は他人を大切にできない。次は闘いの場で会いましょう! と参加者に語りかけました。

【基調報告】地域の保育要求を明らかにし広範な共同を

 基調報告に立った武藤貴子事務局長は、私たちが行なっている運動に確信を持ち、団結して力を尽くそうと報告し、当面の具体的な運動を次の7点にわたり提起しました。

①「子ども・子育て支援新制度」の施行にあたり、国や自治体に対する運動 ②児童福祉法第24条第1項「自治体の保育責任」を形骸化させない運動 ③公立保育所の認定こども園化・廃止・民営化に反対する運動 ④保育の質を守り向上させる運動 ⑤自治体労働者の権利と労働条件を改善する運動 ⑥非正規保育労働者の組織化と労働条件を向上させる運動 ⑦広範な人々や未組織保育労働者との共同の運動

 【特別報告1】自治研活動を柱に据えた保育運動の展開と、青年交流の広がりをめざして(埼玉県本部保育所部会)

 埼玉県本部では、自治研とは何か? なぜ自治研にとりくむのか? の基本学習を重視し、自治研活動の担い手づくりのため学習と交流をすすめている。保育所部会では、各単組の横のつながりをいかして、同じ仕事の悩みや同じ思いを持っている職員が、自治体の枠をこえて知恵を出し合い、励ましあいながら自治体担当課懇談や学習会を重ねていく中で、自分たちが求める保育施策や目指す保育が明確になってきた。県内各地で若手職員による活動が活発に行われている。引き続き単組を越えた交流・つながりを大切にしながらオール埼玉を目標に盛り上げていきたい。

【特別報告2】「墨田区保育所…」公立保育園の民営化・幼保連携型認定こども園化反対取組(墨田区職員労働組合保育園支部)

 墨田区は「新制度」施行にともない民営化計画を推進。区当局は財政負担減を口実に区と連携を結んだ連携法人・公私連携幼保連携型認定こども園に区民の財産である施設を譲渡・貸与すると説明。区職労は闘争本部を設置してたたかう構えをつくり、この計画の問題を組合員や区民に伝えながら、白紙撤回させるための運動に取り組んでいる。全国でもまだほとんど行われていない「公私連携」の導入を許さないため奮闘する。

【特別報告3】若手とベテランがともに運動を進めていくということ(名古屋市職員労働組合福祉支部保育園支部)

 名古屋市では、公立保育所を118か園から78か園に削減する公立保育所整備計画が進められており、各区で守る会をつくり、地域に合わせた運動を進める中で、保護者や市民の声・想い・願いを市当局に届けるために一言メッセージの運動を進めてきた。若手はこの一言メッセージ運動で表舞台だけでなく、夜遅くまでの集約作業など裏方でも頑張ってきた。この姿にベテラン組合員や子育て中で中々活動に参加できない組合員が励まされ、若手もベテランの先生・組合員に支えられ、ベテランから若手までお互いに支えあうことの大切さを感じた。これからもお互いに支えあい運動をすすめたい。

【文化企画・次回開催地アピール】

 文化企画として、埼玉県立熊谷女子高校ギターマンドリン部によって、「TAKUMI/匠」と「Prelude」 の2曲演奏が行われ、綺麗で優しい音色に会場の参加者も心を奪われ、うっとり聞き惚れていました。

 全体集会の最後に、次回開催地アピールが桃太郎に扮した岡山県の仲間のみなさんから行われ、会場にちくわが投げ入れられる(ベテランのみなさんには来年の歓迎行事が思い浮かぶ…)など、次回の全国集会in岡山へ参加が呼び掛けられました。

 

集会2日となる22日は分科会、パネルディスカッション、講座が行なわれました

image018【分科会1】「こども・子育て支援新制度」に対する運動

 東大阪市職労保育所支部から「新制度にむけての対案のとりくみ」、船橋市職労福祉支部から「船橋市の『子ども・子育て支援新制度』に対する運動」、盛岡市職労保育所分会から「『キッズひろば』で市民への訴え、保育連絡会との共同の取り組みで~『新制度』で国基準(少しだけど)打ち破る~」の3本の報告。プロジェクトチームを立ち上げての対案作りや、市長にあてた要望署名、市民へのアピールなど、力強い活動の報告が行なわれました。

【分科会2】公立保育所の廃止・民営化・認定こども園化に対する運動

 吹田市職労保育所支部から「吹田市の公立保育園を守る取り組み~諦めなければ情勢は変えられる~」、横浜市従福祉衛生支部保育所分会から「市立保育所の民営化反対の取り組み~市民の財産である市立保育所を守る運動~」、京都市職労民生支部から「京都市営保育所の民間移管に対する取り組み」、広島市職労保育園支部から「これまでも、これからも、公立保育園は公立のままで」、鶴ヶ島市職保育所部会から「鶴ヶ島での公立保育所廃止反対運動について、経緯とこれからの展望」の5本の報告を受けて、フロアから8本の発言がされるなど、経験交流や情報交換が活発に行われ、公的保育の大切さを改めて実感させられる場となりました。

【分科会3】待機児童解消など地域の保育施策の向上をめざす自治体にむけた運動

 高知自治労連から「私たちの目指す保育とは~自治体キャラバンを経て~」、世田谷区職労保育園分会から「保育の質を守りながら待機児童解消を目指す~世田谷の運動~」、名古屋市職労福祉支部保育園部会から「一言メッセージ大作戦に取り組んで」の3本の報告を受けて、フロアから12本の発言があり、「新制度」、民営化が進められる中で、よりよい保育が実践できるよう各地での取り組みが報告され、地域の保育水準を保つために公立保育所が果たす役割の大切さが次々と語れました。

 【分科会4】給食の質の向上と現業職を守る運動

 所沢市職労から「全体の奉仕者として守るべき給食の質」、高知・本山町職から「おおきくなあれ、地域のお宝」、名古屋市職労福祉支部保育園部会から「職員同士の連携で楽しい食育活動」の3本の報告で、地域や保護者に対してどのように自分たちの仕事を伝えていくか、直営だからこそできる仕事の改善等が語られ、直営だからできる事を住民に知らせるとともに、労働組合の大切さも知らせる事が重要と語られました。

  

【パネルディスカッション1】安心して働き続けたい~非正規・関連労働者の労働条件改善

 東京公務公共一般保育ユニオンから「非正規・関連労働者の労働条件を改善しよう」、埼玉・草加市職労から「地域に励まされて組合活動」、西宮市臨時保育市労組から「子どもたちの発達が保障される保育がしたい~臨時保育士労組を再建してからの12年の経験~」、上田市職労から「フルタイム臨時保育士・フルタイム臨時給食員賃金への経験加算制度実現に向けたとりくみ」の4本が報告され、非正規・関連労働者の労働条件が苦しくなっている社会の中で、仕方がない事と諦めず、どうしたら改善されるのか。 現場からの声を聞きながら、団体交渉の持ち方や経験加算実現の取り組みに学び、日々の地道な運動と仲間を増やす取り組みの大切さを改めて実感しました。

 【パネルディスカッション2】保育も保育運動も楽しむ青年保育労働者に学ぼう

 所沢市職労から「青年自治研『若トコ!』の取り組みについて」、名古屋市職労から「上手くいくことばかりじゃない保育運動~1人ひとりが集団を作り出す~」、東京自治労連から「『保育を楽しむための連続講座』運営委員会の取り組み」の3本の報告が行なわれ、参加者は疑問・質問を出し合いました。報告は3者3様でしたが、みんなが違う角度から同じ方向にむかって、同じ考えで頑張っていることを感じることができ、報告者の中には感動して涙を流す場面も見られました。

 【講座1】「今、遊びの保育について考える」:講師 加用文男さん(京都教育大学教授)

 『遊びの本質はノリ』を合言葉に、生活の局面や中に遊びの要素を入れながら過ごすことや、担任や子どもも“こなす”のではなく“楽しみ”と捉えられることが大切という話をして頂きました。“泥だんご”にも触れながら、笑いあり、笑いばかりの楽しい学習となりました。

【講座2】「『子ども・子育て支援新制度』施行直前! 今、私たちは何をするべきか」:講師 高橋光幸さん(自治労連保育部会部会長)

 今の日本は、子どもや保護者にとって劣悪な保育環境となっている。子どもたちの大好きな『雷の落ちない村』の劇を通して、雷の落ち続ける日本の保育を変え、子どもたちが笑って楽しく過ごせるために、保育を守る運動をしていく必要があると熱く参加者に語りかけました。