生活保護の住宅扶助基準と冬季加算の削減に断固抗議する

2015年1月15日

日本自治体労働組合総連合

書記長 中川 悟(談話)

 

厚労省は11日、生活保護の家賃にあたる「住宅扶助」と暖房費などの「冬季加算」を2015年度から削減することを決めた。同年度の政府当初予算案では約30億円ずつの減額となり、2017年度には今年度と比べて、住宅扶助が約190億円の減額となる。既に13年度から段階的に進んでいる「生活扶助」(生活費)の引き下げ分と合わせ、前年度に比べ約320億円の切り下げとなる。住宅扶助の地域ごとの具体的な引き下げ額は現時点では不明だが、主に都市部で下がると報道されている。既に生活保護を利用している人には契約更新時まで猶予する方針とされているが、今の基準でさえ住宅の確保に苦慮している実態が、さらに厳しくなることが想定される。また、「冬季加算」は、単に灯油代だけではなく、雪下ろしを頼んだり、タクシーを利用するなどこの時期の日常生活を営むための必要不可欠な費用であり、その削減は死活問題である。

今回の引き下げは、2年前の生活扶助基準の引き下げと似たような経過となっている。2年前は、部会で全く議論されていなかった「物価下落」を突然持ち出し、生活扶助基準を引き下げた。また、引き下げの根拠とされた物価指数「生活扶助相当CPI」については、トリックが国会審議でも明らかにされ、現在、20ほどの道府県で、生活扶助費削減処分取り消しを求める訴訟が進行中である。

今回も、社会保障審議会の生活保護基準部会で議論した際に、基準の引き下げに対する部会委員の慎重意見(さまざまな懸念や憂慮)を無視し、報告書の一部のみを取り出して引き下げるものである。これは、憲法25条が保障する生存権の基盤となる生活保護制度の「健康で文化的な最低限度の生活」の水準としてあるべき姿を、財政目的で安易に引き下げ続けるものであり到底許されるものではない。自治労連として、断固抗議するものである。

14日に閣議決定された来年度予算は、過去最大の96.3兆円の予算案であると報じられている。一方において史上最大規模の大型予算編成を行いながら、最も声をあげることが困難な生活保護利用者を始めとする弱者に対しては情け容赦なく給付を削減し続けることは不公平極まりない。

 自治労連は、生活保護行政の第一線に立つ労働組合として、生活保護基準の引き下げ、制度改悪に断固反対するとともに、憲法25条に基づき、国民が健康で文化的な最低限度の生活がはかられるように老齢加算の復活はもちろん、生活保護制度の充実を行うよう政府に要求する。1月26日から開会する通常国会において、生活保護切り捨てをはじめとした制度改悪を許さず、国民、労働者の生活と権利を守るために、関係諸団体との共同を広げ、たたかうものである。