戦争法成立を糾弾する(談話)

日本自治体労働組合総連合

書記長    中川 悟 

 

9月19日、安倍政権は集団的自衛権行使や戦闘中の外国軍を支援する後方支援などを内容とする憲法違反の戦争法案を、国民大多数の反対の声に耳を傾けることなく、参議院本会議で強行採決を行った。自治労連は衆議院での採決につづく、この暴挙を満身の怒りをこめて糾弾する。

 戦争法は明確な憲法違反である。これまで40数年にわたり政府が積み上げてきた憲法解釈を180度変更し、法案を合憲と主張する政府に対し、弁護士、憲法学者、歴代の内閣法制局長官、最高裁元長官など、法曹界から「明確な憲法違反」との発言が相次いだ。安倍政権は戦争法制を成立させ、さらに憲法改正し平和条項や国民主権、基本的人権など、民主主義条項を改悪し、日本を「戦争する国」につくり変えようとしている。

 安倍首相や自民党幹部から「国民の理解が進んでいないのも事実」と認めながら、採決を強行したのは、国民の声に耳を傾けない言論の府にあるまじき民主主義破壊の蛮行というしかない。「ホルムズ海峡封鎖」など立法事実の破綻や自衛隊幹部の暴走ぶりも明らかになるなど、審議が進めばすすむほど、内容も説明もボロボロとなってきた。

 戦争法案に反対する運動は、従来の枠組みを超えた幅広い共同の取り組みとして、かつてない広がりを見せる状況を作り出し、戦後の民主主義と平和運動の新たな流れを作り出している。すべての弁護士が加入する日本弁護士連合会は、安保法制に反対する意見書を採択し、各地の弁護士会も街頭宣伝などを積極的におこなってきた。法案に反対する憲法学者が国会前でリレートークをおこない、100を超える全国の大学で戦争法案反対のアピールを出し、さらに教官と学生が一緒に反対の集会を開催。「ママの会」やSEALDsなど、若い世代が運動に立ち上がった。また、全国で様々な形態での宣伝や集会が連日続けられてきた。8.30国会包囲行動には12万人を超える国民が包囲し、全国で1,300カ所を超える地域で行動が取り組まれるなど、衆議院通過後も国民は90日を超える延長国会にあきらめることなく、「戦争法案ゼッタイ反対」「安倍政権ノー」の声をあげてきた。

 住民のいのちとくらしを守ることを責務とする自治体・自治体公務公共労働者にとっても、戦争法は重大な影響を及ぼす。我々は先の大戦で、住民を国の起こした戦争へと駆り立てた痛苦の反省から、「二度と赤紙を配らない」をスローガンに、この間、自治体キャラバンや職場決議など戦争法案反対に取り組むとともに、憲法を守りいかす運動に取り組んできた。

 戦争法は国会で成立したが、民意に背を向けた安倍政権の暴挙は、国民の中に現憲法や9条の意義、立憲主義について着実に理解を広げ、市民社会を覚醒させた。新しい時代はもう始まっており、この流れはもう誰にも止められない。我々は、こうした運動や世論の高まりを確信に、職場からの学習を基礎に、戦争法の発動を許さないたたかいを強化する。とりわけ、来年実施される参議院選挙で戦争法賛成議員と改憲勢力を退場させ、違憲の戦争法廃止にむけたたたかいに全力を尽くす。

                                               2015年9月19日