1月24日(日)林野会館において、地域医療と公立病院の充実を求める「いのちと地域を守る学習・意思統一集会」を16地方組織の参加で開催しました。

 本集会は、①医療と自治体病院をめぐる情勢と課題について学び、医療制度などの改悪を許さず、「地域といのちを守る」国民共同の運動の前進。②自治体病院をめぐる課題や、看護師の夜勤問題などの医療従事者が働き続けられる職場づくりをめざし、各地の運動を交流し今後の取り組みの推進。③組織強化・拡大の取り組みと教訓に学び、16春の集中期間をはじめ組織拡大を進めること。④16春闘の出発点として、1月25日の府省交渉、医療団体との要請・懇談行動への意志統一を図ること、などを目的として行いました。

 主催者を代表して高柳京子副委員長は、「安倍政権は新三本の矢で経済優先、具体性のない社会保障充実を示した。16年度予算案を見ても国民生活を切り捨てる姿勢は明らかだ。こんな政権に国民の生活といのちを預けるのはごめん。夏の参議院選で安倍政権を退陣に追い込むための運動と大きな世論を16春闘でつくっていこう」とあいさつしました。

記念講演 

image003「医療・介護一体改革と自治体病院職場をめぐる課題」と題して長友薫輝・三重短期大学教授より記念講演をいただきました。

 長友先生は、憲法25条は国民の主体的な権利である。今の政策の方向性は、プログラム法によって医療・介護・福祉が自助と助け合いへと変質させられていく。社会保障とは病気や貧困、失業などで自己責任ではどうしようもない問題への社会的対応である。

 日本の医療保障は、公的医療保険による皆保険制度と医療の提供体制の2つで成り立っているが、昨年5月に成立した医療保険制度改革関連法案はこれらを一体的に変えようというものだと指摘しました。

また1980年代から推し進められている公的医療費抑制策については、医療費適正化計画と地域医療構想とが連動して供給抑制の効果が強まるとし、また地域医療構想と地域包括ケアを一体としてとらえることが重要であるとしました。最後に、安倍政権をかえるとともに社会保障の中身をいかにより良いものにしていくか、対抗していくことが重要であるとまとめられました。

 

基調報告

基調報告を篠原勇中央執行委員(自治体病院闘争委員会事務局長)が行ないました。

image006 安倍政権の成長戦略と社会保障の市場化の課題では、自治体病院にかかわる課題は、医療政策だけでなく、成長戦略、自治体財政など様々な分野で同時並行的に動いている。安倍政権は自治体に対し「官製市場の民間開放による新ビジネスの創出」を求めている。自治体の公共施設の廃止や統合を進める「公共施設等総合管理計画」のなかで自治体病院の統廃合等の計画が出されていないか注視が必要。組合の中でも分野ごとの縦割りではなく幅広く見ていく必要があるとしました。医療・介護制度の改悪の動きについては、安倍政権が夏の参議院選挙後に向けて大改悪を準備している。医療・介護の制度改悪や、地域医療構想による病床削減の標的にされる自治体病院は、その役割を踏まえた拡充の計画を求める必要があるとしました。「医療構想」の問題点と取り組みについては、高度急性期・急性期・回復期・慢性期などの医療受療率の推計や、それによる必要病床数の推計における国の算定方法の問題点などを指摘し、国に対して「策定ガイドライン」の押し付けを許さない運動と、都道府県に対して地域の実情をふまえ、必要な医療提供体制を拡充させることが必要だとしました。

最後に憲法25条をいかし「安全・安心の医療・介護」の拡充を求める、地域医療と自治体病院を守り拡充する住民共同の運動を進める、看護師など医療従事者の人員不足・職場の勤務改善を進める、組織の強化・拡大に全力を尽くす、など今後の運動について提起しました。

特別報告

特別報告では、岡山自治体一般労組玉野支部は、玉野市民病院の指定管理制度移行を基本的に押し返した組合のとりくみ、大阪・堺市立病院機構労働組合が年間継続した拡大で純増させた「組織拡大のとりくみ」、京都府公立大学法人労働組合は「看護職員の労働実態アンケート結果を活用した職場要求改善のとりくみ」について報告を行ないました。

フロアからの発言

大阪府立病院と住吉市民病院の統廃合問題について、維新をのぞく党派が反対している中、知事が厚生労働省に住吉市民病院廃止の申請を一方的に行ない、反対運動を強めている。東京:経済・財政再生計画の問題。東京都保健医療公社の財政問題。地域医療構想の策定が民間シンクタンクに丸投げされている問題などについて。千葉:医師看護師増やせ、国追随の地域医療構想づくりをやめ、全国最低水準のベット数、医師看護師数、在宅医療体制を改善し、県民のいのちと地域を守る保健医療介護計画をつくることをもとめ、1月27日に「地域医療と公立病院を守る県民運動連絡会」の対県交渉に取り組む。京都:京都市長選挙が行なわれているが、門川市政が医療分野でめちゃくちゃな政策を進めてきたが、本田市長の誕生で市民本位の市政へ転換めざす。京都自治労連・医労連・研究所の三者で自治体キャラバンを実施した。静岡:単組で昨年末に賃金要求で交渉を行ない、年末年始の勤務手当を勝ち取った。医療職(三)表と行政職など他表と賃金比較を行ったが、生涯賃金で考えると看護師の賃金が低いことは明らか。愛媛:「いのちと地域を守る」立場で、医療だけではなく介護との連携もはかって運動をすすめている。部会や闘争委員会でも医療と介護の運動の連携を検討してほしい。と発言がありました。

 篠原中執が集会全体のまとめを行った後、江花新憲法政策局長が閉会のあいさつを行い、昨年安倍政権によって戦争法が成立させられたが、その後も国民の中に新たな運動のうねりが起きている。このことを確信にし運動を大きく広げ、安倍政権を退陣に追い込むことができれば、改憲阻止、社会保障の充実、国民本位の政治に転換できることができる。戦争法廃止の運動と社会保障拡充の運動を結合させて頑張ろうと閉会あいさつを行ないました。