「持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」(医療保険制度改革関連法案)が衆議院で可決 

 4月28日、衆議院本会議で「持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」(医療保険制度改革関連法案)が、与党などの賛成多数で可決されました。

 衆議院本会議に先立ち4月24日には、衆議院厚生労働委員会で医療保険制度改革関連法案(持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案)が、自民、公明、維新の賛成多数で可決されました。

 法案は、5つの法「改正」案を一括して提案するという、昨年の「医療・介護総合法」で野党が一致して大きく批判したやり方をくり返し、その内容も、①国保料の引き上げにつながり、都道府県に公的医療費削減の役割を担わせる「国保の都道府県単位化」、②入院給食費の引き上げなど、新たな国民負担増の計画、③保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の全面解禁に道を開く、患者申出療養の創設など、国民のいのちと暮らし、安全・安心に関わる重大な問題が含まれています。

 人々のいのちと安全に重大な影響を持つ保険制度の大幅な見直し(改悪)法案にもかかわらず、衆議院厚生労働委員会での審議は、参考人質疑を含めてもわずか22時間という極めて短時間で採決が強行され、審議の中で指摘されたさまざまな問題、懸念に対し、政府は具体的に答弁せず「高すぎて払えない国保料」、「経済的困難での受診抑制」等、患者の視点に立ったいのちをまもる議論が全く深められていません。

 全労連は27日、事務局長談話を発信し、医療保険制度改悪法案の採決に厳しく抗議しました。

 今後、審議は参議院に移り、5月13日に本会議、14日から参議院厚生労働委員会で審議される予定です。医療制度の根幹を揺るがす制度の強行は許されません。議会制民主主義をもないがしろにする自民・公明与党の強行、維新は医療費削減に積極的な姿勢を示しており、民主も国保の都道府県単位化については容認など、国会は、まともな審議になっていない状況です。参議院での徹底審議と廃案を求めて、全国から地元選出の国会議員への要請を強めていきましょう。

 

 

医療保険制度改悪法案の採決に厳しく抗議する(談話)

 

 衆院厚生労働委員会は4月24日、「持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」(医療保険制度改革関連法案)の採決を強行した。人々のいのちと安全に重大な影響を持つ保険制度の大幅な見直し(改悪)法案にもかかわらず、参考人質疑を含めてもわずか22時間という極めて短時間で採決が強行されたことはとうてい容認できない。全労連は厳しく抗議し、参院段階では徹底審議のうえで廃案にするよう強く求める。

 同法案の第一の問題点は、後期高齢者医療の保険料軽減特例の廃止や大病院の紹介状なし受診の定額負担義務化、入院給食の値上げなどにくわえ、国保料のさらなる引き上げなど、患者・国民にいっそうの負担増を強いる内容となっていることである。今でさえ経済的理由からの保険料滞納や受診中断が大問題となっているなかで、いのちの沙汰も金次第という状況をより深刻化させるものである。消費税率引き上げの一方での大幅な負担増であり、二重三重に許されない。

 第二の問題点は、被保険者・国民にはまともな説明もなく、より根本的な医療保険制度改悪・医療費抑制の恒久的な仕組みづくりにほかならないことである。国保の都道府県単位化を軸とした保険制度の改悪によって、国の責任は事実上棚上げされ、地方自治体と住民にいのち(と保険財政)の責任が押しつけられることになる。昨年成立した医療介護総合法にもとづく計画づくりとセットで、都道府県は医療・介護の抑制を競い合わされることになる。いのちをまもる保険制度から医療・介護改悪のための保険制度への大転換にほかならない。

 第三の問題点は、患者申し出療養制度の創設など、皆保険制度に大穴が明けられようとしていることである。安全・有効性が不確かな保険外診療(自己負担)が大きく拡大されることにくわえ、上記の医療・介護抑制の仕組みづくりとも相まって、保険範囲を縮小させ、営利企業の新たな利潤追求の場に医療・介護を変質させるものである。

 以上のとおり、今回の医療保険制度改悪法案は、医療・介護の大幅な後退をまねき、国民皆保険制度を解体に向かわせるものにほかならない。しかも、これほどの問題を持つ法案が極めて短時間で委員会採決に至ったことは議会制民主主義の点からも許されるものではない。安倍政権の強権的手法のもとで国会を悪法成立マシーンとさせないとりくみ強化が求められている。

 全労連は世論と共同をいっそう強化して、国民皆保険制度の根幹を揺るがす医療保険制度改悪法案の廃案を求めていっそう運動を強化する。切実な医療・介護要求の実現を求める職場・地域からのとりくみを推進し、社会保障拡充への政策転換を求める共同を前進させる。

 

 2015年4月27日

全国労働組合総連合 

事務局長 井上 久