足立区が戸籍など窓口業務を民間に委託したことについて、弁護士などで構成する区の特定委託業務調査委員会は11月18日、調査結果をまとめた答申を区長に提出。「区民の個人情報保護について重大な懈怠(怠慢)があった」と指摘し、「抜本的かつ早急な改善」を求めました。

  答申は、区の民間委託方針については「評価する」としたものの、「委託業者(富士ゼロックスシステムサービス)が過去に戸籍情報を大量に流出させる事件を起こしていたにも関わらず、区は把握せず、改善策も検討しないままに委託した」「コンピューターシステムと業務の委託先が同じ会社であることは、セキュリティーの基本的考えにもとる」など問題点を指摘し、業者の選定方法を見直すともに、「委託先の社員に対する守秘義務の徹底と罰則規定の周知」を図るなど抜本的な改善を求めています。

 足立区民1400人が「委託で損害を受けた」と、監査請求に立ち上がる

 自治労連は、戸籍など窓口業務の民間委託は「個人情報が漏えいするなど、住民の基本的人権が侵害される」と問題を指摘し、民間委託の中止、直営での実施を求めてきました。足立区の調査委員会の答申は、窓口業務民間委託の問題点をあらためて示したものと言えます。足立区の担当者は、答申について「重要な指摘と受け止める。内容をふまえ12月の区議会に向け改善策をまとめたい」(11月19日「毎日」)としていますが、民間委託は今後も推進する立場でいます。

  11月7日、1400人の足立区民が「戸籍事務民間委託の強行で、区民にサービス低下とコスト増をもたらした」として、地方自治法に基づく住民監査請求を区の監査委員会に提出しました。監査請求では、監査委員会に対して、①区の戸籍業務外部委託の公金支出の差し止め、②区長から区長自身へ損害賠償請求、③委託事業者への不当利得返還請求を行うよう勧告することを求めています。

  東京自治労連、足立区職労は、「住民の個人情報保護をはじめとした基本的人権を侵害し、公共サービスを低下させる窓口業務の民間委託は許さない」と、引き続き区民との共同を広げ民間委託の撤回を求めてたたかっています。