かがやきDAYS2016年3月号 Vol.508

動物への愛情をマンガに込め

広島市動植物公園職労 南方 延宣(みなみがた のぶよし)さん
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▲南方さんと彼を見つけて寄ってきたキリンさん

 広島市には戦前から動物園がなく戦後まもない1951年頃、動物園開設を願う子どもたちの1円募金が出発点となり、1971年9月1日、広島市安佐動物公園が開園しました。敷地内には、キリンやライオンなど約170種類の動物を飼育しており、特にオオサンショウウオの飼育研究、クロサイやグラントシマウマの繁殖が高く評価されて最高の栄誉となる「古賀賞」を3回も受賞しています。

 動物公園内を歩くと、いたるところに8コマまんがの解説看板が目につきます。この看板の動物マンガを作製している人が、飼育員の南方延宣さんで、勤続20年を超えるベテランです。彼は、小学校低学年の頃から動物園で働く夢を持ち「家ではザリガニ、カエル、カメ、キンギョ、コイ、カブトムシ、ジュウシマツや犬を飼い、庭に並べて動物園ごっこをしていた」と言います。京都に生まれ京都に育ち、就職も…と思いきや、飼育員の募集はなく、1992年安佐動物公園に就職しました。

 ところで、マンガは…と聞くと、「はじまりは勘違いからです。勤務して2、3年の頃、トラの飼育を担当していたとき、飼育日誌に書き込んだ絵を見た当時の園長が『マンガを入れた解説看板をつくったら』と言われたのがはじまりです。園長はイラストのつもりだったようですが、マンガと言われ、それなら4コママンガだと勝手に勘違いし、オチもつけて」トラの運動場前に張り出したのが動物マンガの第1号です。

 以来、動物マンガの解説看板は『シマウマ通信』、『ヒヒ通』、『復活トラトラまんが』、『キリマンじゃろ(「キリンのマンガじゃろ」の略)』、『ダチョウ通信』、『ビバ・サンバー』と次々に作製。毎日新聞広島地方版に掲載されたり、チケットにも登場します。

 ここまで来ると南方さんの動物マンガは、安佐動物公園にとってなくてはならないものになり、市民からも「家で読めるようにならないか」などの要望が広がります。園長から「単行本を自費出版しよう」と言われ、『ヒヒ通』(2009年発行)、『キリマンじゃろ』(2013年発行)、『キリマンじゃろのつづき』(2015年発行)の3冊を出版しました。

 そして、『キリマンじゃろ』が2014年3月末、第4回広島本大賞「その他部門」で大賞を受賞したのです。わずか数千冊の自費出版本が、広島代表の作品に選ばれたのは、市民にとって安佐動物公園が大切な場所になっているからでしょう。それは惜しみない動物への愛情と来場者に動物のことを伝えたいという情熱のこもった動物マンガが一役買っているに違いありません。

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▲各コーナーに立てられている動物マンガの解説看板
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▲これまでに自費出版した『ヒヒ通信』広島本大賞を取った『キリマンじゃろ』と最新の『キリマンじゃろのつづき』