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機関紙『自治体の仲間』2016年 9月号 Vol.514 自治労連第38回定期大会

新たに2つの「全国統一闘争」を提起

職場・地域から憲法をいかし守ろう住民の生活

自治労連第38回定期大会 8月21~23日 岡山県・岡山市
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▲自治労連第38回定期大会には8月20日に行われた補助組織・部会の事前会議を含め、のべ3148人が参加し、の代議員比率は26.85%でした。3日間の討論で78人(財政小委員会含む)が発言しました。

「安倍政権による改憲阻止!職場・地域から憲法いかし、住民生活を守ろう」のスローガンを掲げた自治労連第38回定期大会が8月21~23日、岡山市内で開催されました。8月20日の補助組織・部会の事前会議を含め、のべ3148人の参加者で、2016年度運動方針を含むすべての議案が賛成多数で採択・承認されました。

大会初日は、猿橋均委員長のあいさつ、 来賓からのあいさつに続き、新規加入組合8単組が承認されました。

2016年度運動方針を福島功副委員長が提案。すべての職場で憲法を語れる人を広げるとともに、自治労連の職場・地域から憲法をいかし住民生活を守る「特別な任務」を継承・発展させ、今後3年間、「憲法キャラバン」をすべての自治体を視野に、従来の規模・内容を発展させて具体化し、すべての組合員参加による運動として展開しようと訴えました。

2つの全国統一闘争

また、①「憲法いかし住民生活を守り、長時間労働一掃・本格的な予算人員闘争を一体で推進する『こんな地域と職場をつくりたい』の運動(仮称)」と、②「全国一律最賃制確立と地域格差の解消、自治体内最賃を展望した公契約運動、正規・非正規の公務員賃金改善」を柱とする中期的な賃金闘争の2つの全国統一闘争をすすめることを提起しました。

また、「戦争する国づくり」を許さず、貧困と格差の是正を求め、消費税増税を許さず、社会保障拡充、公務公共業務の拡充をめざし、TPP協議からの離脱を含む持続可能な地域経済の再生をめざした共同を広げることなどを提案しました。


従来のとりくみをこえる大きな運動をすすめよう

執行委員長あいさつ 要旨 自治労連中央執行委員長 猿橋 均
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第38回定期大会は、参議院選挙の結果を受け、「戦争する国」「世界で一番、大企業が活躍しやすい国」づくりの継続を許すのか、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」の3原則を掲げた憲法をいかす国づくりに転換するのか、日本の進路をめぐる大きな転換点のなかで開催されます。

参院選では、市民運動や私たちの「野党は共闘」の後押しを受け、での4野党が「戦争法廃止」をはじめ幅広い共通政策を掲げ、全国32の1人区すべてで野党統一候補を擁立するという、戦後日本の政治史上、初めての画期的な状況が作りだされ、そのうち11の1人区で野党統一候補が勝利しました。「政治は変わるし、変えられる」、そのことを実感させるものとなりました。

選挙の結果、改憲勢力が参議院でも3分の2を占めたことを受け、安倍首相はひた隠しにしていた憲法改正の意向を露わにするとともに、アベノミクスの失政を覆い隠すため、総額28兆円もの景気対策を準備しましたが、肝心の国民の懐を温めるのではなく、大企業のための公共事業が重点となっています。

安倍政権の改憲・国民生活破壊の暴走が続くもとで、改めて憲法を学び、いかし、語ること、実際の仕事の上でも、住民生活を守りぬく、自治労連の役割を果たすことが重要となっています。私たちは、この3年間、地方から「憲法をいかし住民生活を守る」ことを自治労連の「特別な任務」と位置づけ、憲法キャラバンでの全自治体訪問、そして地域に入り、安全安心の地域・自治体・仕事をつくる政策づくりの運動をすすめてきました。

大会では、改めて2019年までの3年間を展望し、この「特別な任務」を継承・発展させるとともに、職場から「こんな地域と職場をつくろう」の予算・人員闘争の展開、さらには「全国一律最賃制確立と地域格差の解消、自治体内最賃を展望した公契約運動、正規・非正規の公務員賃金改善」を柱とした、生計費にもとづく賃金闘争という、2つの全国闘争を推進することを提起しています。

働きやすく、働きがいある職場や仕事、そのための賃金や労働条件を求める切実な要求。この実現にむけた運動は、同時に自治体や公務公共業務が、住民のくらしや権利を守り発展させる役割を果たすたたかいでもあります。そして、同じ思いを持つ仲間は、労働組合の加入・未加入にかかわらず、私たちのまわりにたくさんいることを忘れてはならないと思います。

こうした同じ思いを持つ仲間にもしっかりよびかけを広げ、従来のとりくみをこえる大きな運動をすすめようではありませんか。そして、この運動をすすめる自治労連の組織を大きく強くするとともに、運動の次世代への継承のとりくみをすすめましょう。

最後に、この大会の開催にご尽力をいただいた、自治労連岡山県本部のみなさんに、こころよりお礼を申し上げます。


現地歓迎行事 パート1 無形民俗文化財 備中(びっちゅう)神楽

18歳の神楽が元気をくれた
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大会初日の昼休みに、国指定重要無形民俗文化財、備中神楽が大会参加者を迎えてくれました。

備中神楽は神事色の強い旧来の神楽に、能や歌舞伎などに触発された演劇性の高い芸能に仕上げられたものです。

祝詞(のりと)を上げながら舞い、大蛇を退治する神楽は迫力いっぱい。公演後、素顔をみせた3人はなんと18歳。3歳から神楽を始めたそうですが、後継者づくりが課題だそうです。

現地歓迎行事 パート2 書記集団「書記(しょき)ら~」の初舞台

大会第2日の昼休みには岡山県本部書記部会のみなさんが演劇「原子力の夜」を披露してくれました。

物語は原発作業員、被ばくした子ども、立地に反対するおばあさんら、原発をめぐる悲劇をリアルに告発する本格派!です。多忙で集まりにくいなか、演劇初心者がよくぞここまで稽古された、と大会参加者は感銘を受けたのでないでしょうか。

できれば別の機会でも公演を期待します。

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▲今大会の議長団。左から山本桃代さん(大阪)、岡﨑加奈子さん(岡山)、湯浅達郎さん(宮崎)


【全掲載】代議員発言の要旨(敬称略)

は体験し知ることで視野が広がる

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市江 弥生(青年部)

青年部定期大会の発言では、組織拡大のとりくみが多数あった。青年組合員を増やすのは青年である。青年が学習会の講師を務めるなど、自分たちが知りたいことを伝え合う、青年目線でのとりくみが大切。今年度、青年自治研集会を開催する。必要なものは体験であり、全国のとりくみを知ることで、視野が広がる。ぜひ多くの青年を送り出してほしい。

人員増で人間らしく働ける職場へ

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田頭 愛美(あいみ)(女性部)

女性部大会では、職場では人員削減により年休が取りづらい困難な状況があるという報告が続いた。年休完全取得にむけとりくみをすすめる。京都市や名古屋市に続き、4月から岡山市でも育児休暇代替で正規職員の採用が実現した。全国に運動を広げていく。今後も、人員増を勝ち取り、男女とも人間らしく働き続けられる職場にしていくためにとりくんでいく。

地域とのつながりが民営化阻止の力に

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尾崎 秀敏(現業評)

現業の退職不補充、新採なしの自治体が増えるなか、給食まつりなど住民共同のとりくみが採用を勝ち取る成果を生んでいる。民営化反対闘争で、保護者や地域とのつながりをつくり、委託阻止、直営に戻す運動が広がっている。長野県上田市では給食センター委託提案を給食まつり開催などで委託撤回に追い込む成果も生んだ。引き続き一丸となって奮闘する。

「水は公共の財産」公企を守り発展させる

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近藤 夏樹(公営企業評)

「水と自然エネルギーは地域住民のものであり商品ではない」と住民のための公営企業を守り発展させる運動方針を確認した。

26年前には廊下で要請文を渡すという扱いで始まった省庁交渉は、今では6省庁9部門を呼んで、12地方組織35人が参加し、「民間活用の手法には公共の福祉を増進する運営が必要」と認めさせ、その周知を約束させるまでになっている。

仲間を増やす好循環をつくる

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仁木 将(まさる)(評)

非正規公共評の運動基調は、3つのアクション「行動する・発言する・仲間をつくる」、1つのチャレンジ「要求の実現」で仲間が増える好循環をめざすこと。

大会では、29人から、とりくみの重点として、①生計費にもとづく賃金の底上げ、②公共サービスを担う労働者の仕事と役割を住民に伝える、③労働者の雇用を守る、④主体的に仲間を増やすことについて発言があった。

行政の最前線として復旧・復興にとりくむ

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三浦 徹也(岩手)

大震災の復旧・復興事業は住宅問題をはじめ、課題が山積している。

大槌町職も犠牲者があり、5年ぶりに再建大会を行った。震災前より予算は約10倍となったが、任期付き職員、派遣を含め職員は2倍程度しか確保されていない。職場懇談を通じて残業削減、健康維持にとりくんでいく。近い将来、復興をなしとげた大槌町に来ていただきたい。

原発再稼働すすめる安倍政権の暴走を止めよう

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清水 庄次(滋賀)

福島の原発事故から5年が経過するが、いまだ10万人が避難生活を強いられている。5月に都道府県職として、福島を忘れないツアーを実施し、原発事故によって引き起こされた状況を目に焼きつけた。安倍政権の原発推進政策に怒りを感じる。いのちとくらし、田畑も山も奪われた福島の今を全国の怒りにし、自治体労働者の使命を果たすためともに奮闘しよう。

労働相談で組合結成 要求実現で増勢に

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植村 丞彦(つぐひこ)(香川)

障害者福祉施設の職員から「パワハラを改善しようと声をあげたら、異動させられそうだ」と労働相談があった。自治労連に加入してもらい、「職場の異動」問題で全職員に集まってもらい、「みんなが加入して集団的に対応しよう」とよびかけ、「公務公共一般労働組合とまとんぼ支部」を結成した。サービス残業や職員会費の不当な天引きなど改善し、組合員も増えた。

要求運動を組合加入 組織拡大につなげて

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内藤 康雄(長野)

伊那市社会福祉協議会では、賃金が10年前の合併時に調整されず、旧伊那市の職員が旧町村より数万円低く、給料表も4級まで。昨年、正規で6級までに改善、今年1月に嘱託職員の3年ごと1%の昇給、10年以上は3%を勝ち取った。この結果を知らせ、組合の必要性と加入を訴えている。新採の前歴加算5年までを5年以上3分の2、在職者調整も勝ち取った。

長時間労働の一掃と予算・人員闘争をすすめよう

嘱託3単組が共同して8年ぶりに賃上げ

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廣瀬 芳夫(兵庫)

西宮市には学校給食調理員、保育士、その他の職場の3つの嘱託組合がある。嘱託調理員は38年の歴史があり休暇は正規とほぼ同等だが、正規職員と大きな賃金格差がある。そのため昨年秋から3単組が共同した学習会を170人の参加で成功させたことを力に、8年ぶりに賃上げを勝ち取った。今後は研修や仕事、市民サービスのあり方をふくめ「誇りと怒りの運動」をすすめていきたい。

「ゆるく・気軽に」福祉連絡会の活動を再開

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野上 弘一(広島)

「ゆるく・気軽に」をモットーに、休止していた福祉連絡会の活動を再開した。厳しい現状が続く福祉職場だが、私たちが笑顔で働くことで、仕事も組合活動もがんばることができると、福祉職場学習交流会を開催。福祉制度の現状や仕事への思いを交流し、「元気をもらえた」と好評だった。引き続き、笑顔で生きいきと仲間が働き続けることができる職場をめざしとりくむ。

「ともに学び、ともに考え、行動する」

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後呂(うしろ)美也子(大阪)

侵略戦争の反省に立ち、憲法がつくられ、自治体労働者は憲法の担い手になった。改めて職場から仕事を見直し、地域住民に仕事の大切さと自治体労働者の役割と必要性を問いかけることが求められている。府職労は勤通大・憲法コースの集団受講や職種別の住民懇談会にとりくむ。組織強化拡大では、ともに学び、ともに考え、行動する組合民主主義を大切にすすめている。

雇い止め許さず、無期転換を必ず

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佐藤 完治(山形)

東北大学は改正労働契約法の無期転換を制限する意図で非正規職員の雇用5年上限を設定。強行されれば3243人の雇い止めが起こる。共同のたたかいの構築へ懇談会を行い、学者・弁護士が発した雇い止め撤回アピールに100人を超える賛同が寄せられ、マスコミも注目。全員の無期転換を勝ち取ること、運動のなかで1000人以上の組織拡大にとりくむ決意だ。

神奈川フィル解雇撤回 支援に感謝

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杉本 正(神奈川)

2012年から神奈川フィル不当解雇撤回闘争をたたかってきたが、4月8日に中央労働委員会で解雇撤回、和解金支払い、謝罪文掲示という高水準の勝利和解を勝ち取ることができた。全国から寄せられた支援に深く感謝する。毎日のように届く支援の署名や「神奈川フィルをよくする会」への1200人におよぶ入会は4年間の長い争議を続ける上で大きな精神的支えになった。

職場と憲法を結ぶ腹に落ちる学習を

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長坂 圭造(愛知)

安保法制廃止のとりくみは、憲法・平和を守るだけでなく、私たちのくらしや職場を守るもの。自治体のブラック化、辺野古基地、高江ヘリパッドなど、憲法が守られないから大変なのだ。そこを腹に落とすには、職場、仕事、くらしと憲法との関係を伝える学習や宣伝活動が必要。かつての「憲法紙芝居」のように目に見え腹に落ちる学習資材を検討していただきたい。

最賃闘争と統一ストで組合拡大

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原田 仁希(にき)(東京)

最賃運動は社会的闘争であり、他団体とつながって組織化の網をひろげ、組合員拡大と賃金闘争の前進を勝ち取れる。

全都統一ストで、雇用年限撤廃、残業代支払い、雇い止め撤回、組合拡大などの重要な成果を得た。

CAD不当解雇事件の背景に、都は特別職を一般職化して組合つぶしに手をつけてきた。組合への攻撃に断固反対する方針を求める。

賃金改善と格差解消にむけ奮闘する

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林 克(かつし)(静岡)

憲法キャラバンをすすめるなか、名ばかりの地方創生、交付金のあり方に批判が出ている。地域間格差の問題でも継続して懇談を積み重ね、最賃引き上げの認識を共有してきた。8月には市長と組合とで合同の記者会見も行った。格差解消に向けて公契約とともに公務員賃金も重要で、賃金格差で人が集まらない状況。秋は賃金改善と格差解消をあわせてたたかう。

共済加入が単組活性化 組合拡大につながる

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井口 丈典(愛媛)

組合員全員を対象の「共済実感キャンペーン」が単組活性化と組合員拡大につながった。伊予・西予・宇和島・津島で組合員加入率70%を達成。内子は80%以上が加入。松山では加入率90%になった。今治は「カウントダウンボード」を掲げ加入率75%を超えた。

教訓は、組合員全員対話を執行委員会で意思統一し、職場で声をかけ、加入者がPRしてくれたことだった。

生計費にもとづく賃金要求の実現を

住民との交流、自治研活動すすめる

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實川 理(じつかわ おさむ)(千葉)

公務公共サービス守るとりくみで、①民営化の状況を交流、②44自治体のキャラバン、③船橋「げんきっ子フェスタ」などで仕事のアピール、④自治研活動・自治研集会の開催、⑤人員要求では船橋で保育士70人採用、君津で専門職12人採用と非正規保育士の正規化、松戸で現業職4年連続採用。民営化計画が出る前からの職場・地域からの総合的なとりくみが重要だ。

憲法キャラバンで43全自治体訪問2巡目達成

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上村さよ子(鹿児島)

今年7月の参議院選挙と同時に行われた県知事選挙で脱原発知事を誕生させた。憲法キャラバンで今年1月に奄美群島訪問など、県内43の全自治体への訪問2巡目を達成。非正規職員の待遇改善をすすめるなかで組合加入へつなげ、7つの自治体で組合を組織してきた。鹿児島自治労連結成めざし、切実な要求実現のため全市町村で組合づくりをすすめる。

非正規職員の処遇改善で組織拡大めざす

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新居(にい) 耕一(徳島)

組織拡大にむけ自治労連共済と組合加入をセットでよびかけてきた。昨年9月の定期大会で組合員数500人を突破し、今後5年で1000人が目標。

「7・4公務員部長通知」や自治体アンケートをもとに議員懇談し、非正規職員の処遇改善で成果をあげている。この成果を全自治体へと広げ、非正規職員の組織拡大をめざす。

労働組合が同世代とのつながりの場

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伊東 侑紀(愛知)

5年前に採用された時に職場に同世代の職員がおらず、子どもと保護者との関係だけの毎日だった。先輩に誘われた保育合研をきっかけに、組合活動に参加し、同世代とのつながりの場となった。

企画する側になり、賃金・人員問題、平和問題など体験を通じて、楽しいだけではだめだと感じた。青年部でも労働組合の役割である賃金労働条件の改善を求める運動をしっかりやっていきたい。

「見える活動」が加入拡大の経験に

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柴田 敏範(秋田)

昨年8月から県本部として憲法キャラバンで全自治体を訪問。憲法改正や戦争法の課題で「国民の声を聞くべき。急ぐべきではない」など本音が聞けた。

大仙市職労では自治労連共済を単組執行部が一から学び、組合員7割加入を達成し、継続も7割を維持。「見える」活動が加入につながっていることに自信をもち、この経験をさらなる組織拡大にいかしたい。

原発災害から住民・職員の安全を守る役割を

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安久 嘉哲(あぐ よしのり)(京都)

舞鶴市は一部が原発の5㌔圏内、30㌔圏内には全域が入る。今年3月に「舞鶴市原子力災害住民避難計画」が改訂されたが、被ばくの可能性、バスの確保など実効性に疑問が残る。計画で線量の高い地区にむかう職員からは「丸腰で行くのか」と不安の声も寄せられた。要求書の提出・交渉など、住民と職員の安全・安心を守る組合の役割が果たせるようがんばる。

憲法キャラバンで多岐にわたって懇談

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久保田 満(北海道)

憲法キャラバンでは15市町村の首長と懇談。JR日高線の復旧のめどがたたずJR北海道の姿勢に憤りを表明した。JR北海道は、新幹線開業の一方で、駅の無人化・廃止、ダイヤ改正で79本減便、運賃引き上げ、交通格差の問題などくらしに混乱が生じている。安全・安心に住み続けられる地域の実現にとりくむ。

組織拡大と自治体キャラバンについて

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服部 雄次(岐阜)

初めて組合説明会を行うなど10単組すべてで拡大の成果があった。仕事がきつくて3分の1が退職したなかで、純増にした単組も。保育関係の学習会は予想外の参加となった。自治体キャラバンを通じて夏休の実現、「7・4公務員部長通知」以上の休暇、再任用の年休繰越、再募集禁止の撤廃などの要求を実現してきた。今年はブックレット『戦争と自治体』を首長に贈呈し、懇談する予定。

工夫を凝らした組織拡大をすすめ職場要求を掲げる

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前田 一樹(福岡)

新採加入にむけ今回は17時以降に組合説明会を行い、アンケート兼加入届でシンプルに加入させる手法で、3人が当日に加入した。北九州市では十数年ぶりに給食調理員の新規採用。公立保育園の維持を訴え、5年連続で保育士採用を勝ち取っている。市立病院では、時間外研修の時間外手当、看護職の待機手当を支給させた。引き続き労働条件の向上にとりくむ。

行財政分析学習会を次世代育成につなげる

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窪田 憲志(けんじ)(和歌山)

昨年11月、橋本市の市長は「このままでは一般財源が枯渇する。財政健全化にとりくむ」と、給料の減額、地域手当の見直しなど「申入書」を提示した。執行委員会は「到底応じられない」「いまに至った原因分析、責任を明らかに」と要求書を提出し、交渉を重ねた。労組としても行財政分析学習会を開催。これを市職労の力量アップと次世代育成につなげていく。

止めよう戦争する国づくり すべての職場で憲法を語ろう

アベ政治を許さない 沖縄の実態全国で共有を

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稲福 勉(沖縄)

オール沖縄が参院選で現職大臣を落選させ、自民党が全議席を失った。選挙に正面からとりくみ、伊波洋一さん当選に貢献した。4月の女性殺害事件で県民の怒りは限界を超えた。事件を断つには基地撤去しかない。安倍政治が改悪憲法を先取りし暴力的かつ司法を悪用し強行しても、県民は屈しない。本土で見えにくくされている沖縄の実態を全国で共有してほしい。

役員が意思統一し目標以上の組合加入へ

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鈴木登志生(神奈川)

三浦市は春の組織拡大月間にむけ2月に目標と計画を決めて、新採全員加入をめざし、本部と支部の役員が意思統一して一体でとりくみ、目標以上の組合加入を達成した。今後は組織強化の課題もとりくむ。三浦市では「市民要求を実現する三浦連絡会」で、市民要求をまとめ、市と懇談をしている。14年度からゴミ減量化で「キューロ」の普及・促進にもとりくんでいる。

市民の手で民主的な市政を取り戻す

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昼馬(ひるま) 正積(大阪)

泉佐野市の労働組合に対する一方的な権利侵害を労働委員会に申し立て、不当労働行為と断罪された。市長はすべての窓口業務の民間委託化を狙うなど、住民の安全・安心を守る自治体を民間に売り渡そうとしている。暴走する市政を是正するため、市民連絡会を結成し、早朝宣伝・ビラ配布行動を実施。市民と労働組合が結集し、市民の手で民主的な市政を取り戻す。

嘱託の立場でも自治研活動を柱に

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福田 果林(岡山)

岡山市職労は70周年を迎えるが、非正規職員の正規化・均等待遇にとりくんできた。市民や子どもたちのために同じように頑張っているのに、差別的な処遇を放置できないと嘱託職員協議会を結成。正規も非正規もともにがんばり、分断を持ち込ませず、一つひとつ改善を勝ち取ってきた。非正規職員の正規化も実現してきた。市民との自治研活動を柱にすえた自治労連運動があったからこその前進だ。

生計費原則にもとづく国民的賃金闘争を

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高橋 保文(青森)

憲法をいかした賃金闘争の推進や最賃引き上げ、対人事委員会交渉での活用も位置づけて生計費調査を実施。結果は21万6000円と都市部と比べても大差なく、地域手当支給の根拠が破たんしていることも明らかにした。地方段階で最低生計費を示させ、生計費原則にもとづく国民的賃金闘争として、最賃、公務員賃金の大幅引き上げの運動にとりくむことが重要だ。

労組をつなげ、組織化、交渉力、闘争力の強化を

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河村 厚夫(山梨)

6月に「大学労組ネットワーク山梨」を結成。県内の全国公立大労組が結集した。独立行政法人化以来、大学当局の力が強まり、労組の維持自体が困難になるなかで、多くの問題を抱えている。公務公共職場労組の組織強化が急務で、自治体一般は大学労組の対象からはずれる非常勤講師や職員の組織化、交渉力・闘争力の強化に貢献し、自治労連の旗を広げたい。

18年ぶり新規採用と総がかり作戦で組織化

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家永 憲成(佐賀)

唐津市公立幼稚園2園のうち1つは民営化、もうひとつは廃園か委託か縮小して存続かだ。そのなか幼児教育や公立の大切さ、次世代職員の育成など訴え18年ぶりに採用を勝ち取った。

また介護職場と児童クラブの未組織対策として、県労連、医労連、教職員組合、年金者組合の協力のもと介護集会の案内の郵送や全介護職場訪問など「総がかり作戦」にとりくんでいる。

人権保障の支援体制確立にむけて

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八田 直美(鳥取)

県厚生事業団の各施設では人員不足が深刻だ。職場集会で身近な要求をまとめ実現させることは自信になる。しかし増員を勝ち取っても実際に人が来ない施設は少なくない。知的障害者施設での施錠が県に「虐待」と判断された。県が人員不足を認めない問題を関係者のみなさんと懇談をすすめ、増員や支援体制確立にむけて、共同してとりくみたい。

新たな仲間とともに人員体制・労働条件改善をめざす

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髙橋 徹(岩手)

本大会で加盟が承認された奥州市医療局病院労組の仲間とともに医療職の労働条件の改善に向けて奮闘する。行政改革によって合併がすすめられた奥州市では財政再建のために行われた4年3カ月にわたる賃金4.7%カットは、粘り強く交渉し、今年度終了を確認した。今後、財政分析、自治研活動をすすめながら、人員体制を拡充させていく。

要求実現へ選挙闘争 発展の議論をすすめる

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筒井 敬二(高知)

参議院選挙では、地方組織の自主性をいかした対応をとった。しかし労組が選挙闘争にとりくむことに否定的な声も出された。要求闘争と選挙闘争の関係がきっちりと位置づけられていないことを率直に受け止めている。

今後の国政選挙闘争をどう発展させていくことができるのか、正面から議論をすすめていきたい。

区役所は「区民の役に立つ所」でなくては

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木全(きまた)繁太郎(東京)

今年結成70年。「区民の役に立つ所が区役所」だと教わった。先輩が築き上げてきた労働条件を次世代へ引き継ぎ発展させることが現役の役割。執行部体制強化、行動の宿泊費見直しなどで青年参加の動機づけに。新採組織化ではファーストステップセミナー開催。10月に正式採用のお祝い、確定闘争期にセカンドステップセミナーを計画。働きがいのある職場確立に奮闘する。

病院の長時間労働解消は重要な課題

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横田 知大(ともひろ)(愛媛)

組合独自のDVDを使い、「新採しゃべり場」にとりくみ3日間で74人が参加し、昨年を上回る組合加入があった。

一方、長時間労働を理由とした退職があった。当局の36協定の月100時間に対し組合は月80時間以下を要求している。長時間労働の解消は重要な課題だ。当局から看護師の夜勤専従体制を提案されたが職場の声を大切にしていく。

臨職の退職勧奨阻止へ病気休暇制度を実現

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中村 篤子(奈良)

臨時・非常勤職員は今、正規と同様の仕事をしており、メンタル不調が続出しかねない。任用期間の壁が立ちはだかるため、休職による退職勧奨阻止へ人事課と交渉し、最長1年半の病気休暇制度を実現。職場復帰プログラムの導入も議論を開始した。大和郡山市で臨時職員の定年を62歳に延長させ、年金との接続を実現。働き続けられる条件整備が必要だ。

憲法が輝く自治体づくりに

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笠原 浩(福島)

福島県本部創設以来初めて「増勢」に転じた。来年にも引き続く形で奮闘する。

震災から5年経過しても原発被害は回復していない。「憲法キャラバン」で避難自治体だった村長と懇談したが、若者の帰村が少なく、自治体に将来があるのかという不安を感じた。参議院選挙では野党統一候補が原発再稼働中止を訴え競り勝った。憲法が輝く自治体づくりに奮闘する。

住民のいのちと地域医療守る共同すすめる

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新家(しんけ) 忠文(三重)

憲法キャラバンに98人が参加。地域医療や憲法問題などで懇談。「住民のいのちを守るため議会とも力をあわせ阻止したい」と地域医療構想での病床削減問題で強い決意が語られ、地域からいのち守る運動の共同が確認できた。

キャラバンや地域医療を守る運動のなかですべての職場と地域に組合を組織し、この1年で2つの組合を結成した。

無期雇用への転換を阻む動き 裁判闘争で阻止を

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小川 裕子(埼玉)

埼玉県が出資する公益財団法人での雇い止めについて、裁判闘争に入る。これは有期雇用契約5年経過後の無期への申し込みを1年半後に控え、「無期への転換をさせない」という攻撃の典型であり、公共・民間労働者の安定雇用がかかった裁判として、全国で雇い止めを阻止するため必ず勝つ必要がある。労働契約法の学習を含む激励集会も開催。県本部をあげてとりくむ。

組織強化・拡大の大運動 春の新規採用の拡大

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林 達也(愛知)

この1年、2万人県本部をめざして1500人近い新しい仲間を迎え、増勢まであと一歩だ。

春の新採獲得では、今まで以上に4月1日を重視した。2月の組織集会で「実演!組合説明会」とシナリオの議論、また全県新歓実行委員会の青年たちが県下単組を支援にまわり大きく貢献した。原動力は学習活動。組合が身近で大切なものとなったからだ。

次世代担い手づくり 共済の8割加入

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伊藤 一三(いちぞう)(和歌山)

15賃金確定闘争で臨時職員や病院職場の賃金改善や地域手当で成果があった。

青年の学習で一番人気は仕事のこと。仕事継承の不安からである。

青年は寄り添ってほめて育てることが担い手づくりにつながる。

共済の特別重点支援措置にとりくんで、加入率80%に到達できた。どんな課題でもいえるが、議論し目標を立て複数でとりくんだことが教訓である。

組合結成に喜びの声 相談者とともに運動推進

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河野(かわの) 隆(山口)

「思いは自分だけではなかった」「パートでも有休があるのにびっくり」など組合加入した喜びの声が寄せられる。福祉切り捨て、民間丸投げの流れのなかで、福祉単組は7つに増え、労働条件改悪問題から学童保育の労組が結成されて以降、100人にまで大きくなった。07年からの組織専任者の役割が大きく、引き続き、相談者とともに運動をすすめていく。

都民のための地域医療構想へ

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高橋 一人(かずと)(東京)

「地域医療構想」をテーマにシンポジウムをした。会場からは「お金のない老人は医療から切り捨てられるのか」といった発言が相次いだ。法成立は、医療と介護を一体的に連動させようとしたもの。しかし在宅療養では地域の受け皿や医師確保の議論がない。これから設置される「調整会議」に都民や患者代表を入れ都民のための「地域医療構想」にすべくたたかう。

「特別な任務」の主要な舞台は職場

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本間 繁(長野)

人員要求で全職場での要求書の提出にこだわり、新採や人員配置についてのヒアリングとあわせ組合から要求している。職場から自治体や仕事のあり方を問い直し、住民の安心・安全を守る役割を発揮できるかどうかが要求の視点だ。憲法をいかし住民生活を守る自治労連の「特別な任務」の主要な舞台は職場。予算人員闘争こそ憲法問題を組合員の要求に高める道だ。

市民共闘が要求や市民のくらしを守るうえで重要

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塩見 信彦(広島)

10年を超える「給食まつり」が大きな力となり、現業新規採用を勝ち取った。

また、保護者と保育士でつくる「豊かな保育園をすすめる会」の保育園まつりなどのとりくみが民営化計画を阻止する力に。

さらに組合や保護者などでつくる「子どもを守る実行委員会」で学習や交流、市へ要請を行い、障害児給食の直営を守った。市民共闘を継続し、支えるうえで市職労の役割が重要だ。

組合員が組合の必要性を語ることができるように

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樋口 理恵(福岡)

有期看護師の組合役員を狙い撃ちにした雇い止め撤回裁判は、地裁で不当な敗訴となった。高裁にむけた引き続きの署名にご協力をお願いしたい。

4月1日の新採説明会で採用4年目の若手執行委員が組合の大切さを訴え、96人中79人が加入。「伝えれば届く」と実感してくれた。組合員が未加入者に組合の必要性を語ることができるよう運動を広げたい。

青年部を盛り上げていく

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日高 琢郎(岡山)

県本部青年部が行った新人歓迎バーベキューには34人が参加し、職種や単組を超えた交流ができた。今後もミニサッカーなど交流をすすめる。県本部や単組の青年部は組合加入減少に悩んでいるが、親組合だけの責任でないと気づき、自らの問題として捉え、解決のために話し合った。青年自らが頑張っている姿を見せたことが大きな前進となった。

社会的・制度的 賃金闘争を展開する

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中島早登司(なかしま さとし)(大阪)

最賃闘争は、現行のランク分け、地域別改定による格差拡大に対して、全国一律最賃実現と1500円への引き上げ、中小企業支援が必要だ。また公契約運動や公務員賃金引き上げなど賃金闘争強化が重要だ。昨年の地方勧告官民較差は、大阪府が全国最高、大阪市が全国最低で橋下大阪市政の経済対策の失政が明らかになった。住民との分断攻撃を強める維新政治に終止符を打つ。

青年部を中心に「共感」を広げて新採加入が躍進

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谷村 葵(京都)

「3000人府職労連を展望する」組織強化拡大で、新規採用職員も昨年比1.4倍の加入者を迎えた。青年部を中心に新採対策委員会を設置。組合説明会を魅力的にするため、ボイストレーナーを招き、服装、姿勢や表情も改良。実現した成果を前面に出し、配属後も組合員が自分の言葉で「共感」を広げ、よびかけ、感動的な加入の場面も生まれた。

予算・人員闘争を続けていく

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齊藤 勝巳(静岡)

予算人員闘争では、5月に職場要求アンケートを行い、6月に結果を配布して全職場で懇談。25職場で各課長へ要求書を提出して懇談し、実態を共有した。7月、市長へ要求書提出、副市長と懇談した。7年目を迎えたとりくみは、間違いなく当局へ影響を与えている。職場から声をあげなければ半歩も前進しない。組合の原点として予算人員闘争を続けていく。

全組合員の心、力をひとつに

「住民とともに」の視点でまちづくりすすめる

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白石 勝巳(茨城)

豪雨災害で常総市は約3分の1が浸水。尊い命が奪われ、住宅、産業などに甚大な被害が出た。

職場では正規は削減、約半数が非正規というなか、市職労は業務遂行責任は当局にあることを明確にし、人員要求し、おおむね要求に沿う回答を引き出し、職場新聞で知らせる活動で未加入者を迎えている。将来の街づくりは、「住民とともに」の視点で奮闘する。

戦争法廃止にむけた野党共闘を追求したたたかい

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里 正善(長崎)

参院選では、統一候補実現にむけて「戦争への道を許さない!ながさき1001人委員会」など他3団体で市民連合準備会を結成して、野党各党とも連携をとりながら、戦争法廃止、立憲主義の回復を求めとりくんだことは意義のあることだった。一方でこのたたかいに労組としてのかかわり方について、不十分だった点など、しっかり総括して論議を深めていく。

青年が夢を持ち働ける職場へ

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地原 将史(まさふみ)(滋賀)

青年部のない単組や自治労連未加入の青年部と「県自治体労働組合共闘会議青年部」の活動をしている。「おきプロNEXT」に学び、「県平和祈念館」で被害の状況や生活を学んだ。労安活動でも、人員不足で病気やメンタル不調が出ている。青年が夢を持ち働き続けられる職場をめざし学習会を開催。青年が中心になった組織拡大につなげている。

青年間の交流広げ次世代育成にとりくむ

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竹内 敏昭(千葉)

青年の単組間交流が重要。9月に北海道・夕張で「KITAプロ」にとりくむ。保育評議会は「ちばっこ」を開催。船橋市職労は行事の際、組合事務所をコールセンターにして参加をよびかけ、野田市職労は組合事務所内に「ユニカフェ」を設置してコーヒーやお菓子を提供するなど組合員の憩いの場となっている。青年が点から線、面になり動き出している。

時間外労働削減と不払い残業根絶が重点課題

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田中 廣美(埼玉)

所沢市職労では職場配属前に説明会や歓迎会にとりくみ、全国野球大会への参加が加入に結びついており、引き続き開催をお願いしたい。毎年、被災地支援活動をしており、今年9月に陸前高田市と南相馬市へ視察に行く。県本部は、職場の要求である時間外労働削減と不払い残業根絶を重点課題として当面、厚労省の基準を守らせるとりくみをすすめる。

丁寧な準備とやりきる決意で組織の増勢実現

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大平 吉正(岡山)

春の組織拡大月間へ「できること、考えられることは何でもやる」を合言葉にとりくみ、増勢を実現。再任用職員へ再任用制度や共済説明会を開催し、新採には機関紙やパンフなどで組合を意識させ、加入につなげた。組織拡大には、組織をあげての丁寧な準備とやりきる決意、地道かつ継続的な努力が必要だ。自治労連に確信を持ち、一人でも多く組合へ迎え入れたい。

労働組合への権利侵害に市民とともに運動

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芳賀 秀友(神奈川)

鎌倉市では3つ不当労働行為が起きている。組合事務所追い出しに対して、24時間泊まり込み体制で守った。地域住民の力で市政を正していくために、昨年「鎌倉市政を市民と働く仲間に取り戻す会」を結成。さらに、一部市会議員からの組合攻撃が強まり、組合費チェックオフ廃止の議会提案があったが、戻す会の運動もあり、大差で否決された。引き続きご支援を。

第13回地方自治研究集会で知と力を高めよう

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渡邉 久人(茨城)

つくば市で開催される第13回地方自治研究全国集会では記念講演、分科会などを企画している。国策により造られた都市、つくば研究学園都市の光と陰を知る現地分科会、常総市の豪雨災害とその後の実態を現地で学ぶ分科会も準備している。生活や仕事に必要な知識、組合活動に必要な知識を身につけ、組合の力を高め、組織拡大する機会にしよう。

今こそ民主的自治体労働者論の実践を

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市本 逸也(いつや)(大阪)

大阪市労組の組合事務所使用不許可取消しを求める最高裁闘争支援に感謝。おおさか維新は参院選で2議席獲得、4議席すべて改憲派に。仕事を通じて苦難を抱える多くの住民と、その苦難を解決していく運動を広げよう。民主的自治体労働者論は住民の幸せのためにこそ自治体労働者はあると教えている。「住民の中へ住民とともに」を合言葉に奮闘しよう。

2つの全国統一闘争を職場・地域で強める

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伊藤 慎次(愛知)

本格的な予算人員闘争、生計費原則を軸とした賃金闘争の本部提案を歓迎し、地方組織で実践する。

愛知では自治体労働者の特性をいかした住民共同のとりくみがされてきた。また賃金=生活給の原則に立ち、かつては調整手当を全市で実施させ、今日では地域手当を国基準を超えさせた。

全県でこの運動を強め、全国の闘争に合流する。

都民要求前進に足がかり 自治研・対話活動の推進

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喜入(きいれ) 肇(東京)

都知事選では、鳥越候補は落選したが、都民要求前進への足がかりをつくれた。一方、各単組で若者を中心に、なぜ労組が都知事選にとりくむかの声があった。現在、財界・政府を代弁するかのような情報があふれるなか、保守化するのは当然で、だからこそ自治体労働組合においては、自治研活動、対話活動が重要だ。単組とともに組織拡大と次世代育成を大きく前進させたい。

憲法と地方自治をしっかり守ろう

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池田 豊(京都)

憲法と地方自治、自治体労働者の役割を考えようと『戦争と自治体』を出版した。戦時中の自治体労働者は単に赤紙を配るだけでなく、徴兵の対象となる住民の思想や病歴、家族構成などの情報を軍部に提供し、国家総動員体制に積極的な役割を果たしていた。

自民党の改憲草案、緊急事態条項の危険な中身を学び、知らせ、憲法・地方自治を守るためたたかう。

指定管理施設の実態改善にむけアンケート実施

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青池 則男(静岡)

1500を超える指定管理施設の実態改善にむけ、研究会を発足させ、事業主と労働者にアンケートを実施。質の維持に雇用継承が必要との声、雇用不安で働く現状が明らかに。結果をふまえ、制度改善の提言など全自治体に提出したい。

雇用中断期間6カ月を撤廃させ、実質雇用継続を勝ち取った。任用期限撤廃へ風穴あけ、労働者の雇用守るたたかいを強化する。


新しい役員の紹介

今大会では役員補充選挙が行われました。

●中央執行委員
 竹内敏昭(千葉)
 池内亮太(滋賀・青年部)
●特別中央執行委員
 平澤 学(本部)

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大会ピンスポ

現地案内班

炎天下の岡山 大会成功のために汗
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自治労連岡山県本部の多くの仲間が要員として大会を支えてくれました。炎天下のなか、大会会場の手前の交差点で案内係をしている2人の女性に出会いました。倉敷市職労で書記をされている江尻奈緒美さん、安部瑞絵さんです。猛暑のなか、全国から大会に参加したみなさんに笑顔で道案内をしていました。大会3日間、道案内以外の任務も含めて成功のために汗を流してくれました。

現地速報班

全国の仲間の豊かな表情で紙面を彩る
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大会の雰囲気、発言などを発信し続けた現地速報班。取材は笑顔で、と心掛けました。速報「はれる」は、岡山名物マスカットをイメージした鮮やかな色づかいとともに、全国の仲間の豊かな表情を伝えてくれました。速報班の清水佳孝さん(高梁市職労)は「見て“ピン!”と記事のイメージがわく人を選びました。みなさん協力的で優しかったです」と感想を寄せてくれました。

物産展

岡山ならではの多彩な品揃え
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▲歓迎行事の思い出に備中神楽の面最中

高梁市職労のブースでは、地元歓迎行事で演じられた「備中神楽」の面をかたどかった「備中神楽面最中」が販売されました。地産の銘酒をはじめ「用意できるものをかき集めた」というバラエティーにあふれた品揃え。さらに、近隣の未加入組合にも声を掛け、吉備中央町職から特産のピオーネのワイン、勝央町職からは特産品の黒豆の「しぼり甘納豆」などが販売されました。

保育室

安心して大会に専念できました
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▲千葉県・大網白里市職鈴木茜さんと娘の鈴木ほの星(ほのか)ちゃん2歳

自治労連大会には臨時の保育室が設置されているのはご存知ですか? お子さんを預けて参加した千葉の鈴木茜さんにお話を聞きました。「保育室でプロに見てもらえるので安心して大会に専念できました」と笑顔。保育士さんに聞くとほの星ちゃんは保育室で他のお子さんと一緒に大活躍だったそうです。全国のパパ・ママ組合員のみなさん、来年の埼玉大会でも安心して参加できますよ。

岡山城と後楽園

江戸時代の名城と代表的な大名庭園
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JR岡山駅前から路面電車で「城下」下車。そこに日本三名園の1つ岡山後楽園と戦国の名城「烏城」と呼ばれた岡山城があります。城は、豊臣政権の五大老、宇喜多秀家が築城(1597年完成)、城郭の先駆けとなる名城です。後楽園は、藩主池田綱政の命によって1700年に一応完成。その後も幕末まで手が加えられ今の姿に。代々藩主は何を考え眺めたのでしょうか。


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▲物産展での交流も大会の楽しみ
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住民生活を守る運動を継承し発展させよう

総括答弁(要旨) 自治労連書記長 中川 悟
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討論には78人が参加。提起した内容とかみ合った議論になり、また方針そのものが歓迎をもって受け止められた。討論の特徴を述べたい。

全国一律最賃、公契約運動、正規・非正規の公務員賃金改善

生計費調査、最賃、公契約、非正規労働者の雇用を守り均等待遇にむけた発言があった。今年の人事院勧告も、地方人事委員会勧告の矛盾となって現れることは間違いない。地域で春闘の先頭に立つ、最賃・公契約改善を強化する、公務非正規・公共のたたかいを強化しながら公務員賃金闘争をたたかおう。

地域から憲法いかし住民生活を守る自治労連の「特別な任務」を継承・発展させる

脱原発・被災地支援、委託・民営化とのたたかい、予算人員闘争でも、それぞれ教訓が語られた。今回提起した、憲法をいかし、住民生活を守り、長時間労働一掃・本格的な予算人員闘争を一体で推進する「こんな地域と職場をつくりたい」の運動は必ず前進する条件がそろっている。とりくみのスタートとして、第13回自治研集会を単組・職場からの参加で成功させよう。

安倍政権による明文改憲・「戦争する国づくり」許さない

憲法キャラバンとして、全国1018自治体を訪問した共同の広がりが実感できた。そもそも「市町村役場がなければ戦争が遂行できなかった」ことの反省から、日本が二度と戦争を起こさないために、日本国憲法に地方自治に関する規定がおかれた。あらためて、このことを胸に刻み、すべての職場で憲法を語る人を広げながら、すべての自治体を視野に憲法キャラバンをすすめよう。

国政・地方選挙へのとりくみ

参院選に関わって、一人区を中心に発言があった。自治労連行動綱領の「統一戦線」の方針が花開き、国政を動かす、戦後かつてない新しい時代が始まっている。ここに確信をもって、野党と市民の共闘をさらに発展させるために力をつくそう。具体的な選挙闘争方針については、全国代表者会議等で具体化していく。

組織強化拡大、次世代育成

増勢に転じた地方組織・単組や自治労連共済と結びついた教訓が語られた。改めて、単組間交流や全国のつながりで次世代育成をすすめながら、自らの問題として気づき始めた青年とともに強く大きな自治労連をつくっていく、そして来年の大会こそ増勢に転じる、その決意を固めあおう。


ようこそ 新たな仲間と歩む

新規加入の8組合

「自治労連第38回定期大会」で、新たに8単組の加入が承認されました。

新たな仲間からは「要求実現にむけて奮闘する」「全国の仲間と連帯していく」「より良い保育を実現したい」「正規化と労働条件を勝ち取る」「思いを共有する仲間とともにたたかう」と、思いのこもった力強い決意が語られました。

新しい仲間を歓迎し、会場は万雷の拍手に包まれました。

医療局職員の要求実現をめざします

岩手・奥州市医療局職員労働組合
2016_06_01
▲(右)鈴木一彦執行委員長(左)小野寺明美副執行委員長

奥州市には4つの公立医療施設があり、昨年の4月から地方公営企業法の全部適用にともない、奥州市職労では医療部会とともに学習・検討を重ね、独立単組として結成しました。地域医療・福祉の拠点として役割を充実発展させ、そこで働く医療局職員の切実な要求の実現をめざします。

全国の仲間と連帯しがんばります

長野・上田市小中学校図書館職員労働組合
2016_06_02
▲(右)山﨑生穂執行委員長(左)中村輝美書記長

突然の雇い止め攻撃に労働組合を立ち上げ、現在26人で活動しています。小さい組織なので進展しない状況にとても悩んでいましたが、自治労連に加入して全国の同じ悩みもつ仲間と連帯し、安心して働ける職場、子どもたちが毎日楽しんで通える図書館づくりにむけてがんばります。

職人集団一丸となって頑張ります

三重建築応援団木楽(きらく)労働組合
2016_06_03
▲山田幸三委員長

三重県松阪市を中心に、三重の材木にこだわって、和風の住宅を建設する設計士・大工・電気技師・住宅設備を受け持つ職人の集団で「三重建築応援団木楽」というチームをつくって仕事をしているので、そのまま名称にしました。チーム一丸になって、組合としても頑張っていきたいです。

正規化と労働条件の改善めざします

岡山市嘱託職員労働組合
2016_06_04
▲岡部順子委員長

1980年、さまざまな職種の嘱託職員の会が連携して、岡山市職労・嘱託職員協議会を立ち上げました。多様な雇用形態で非正規率が3割を超える状況のなかで、より強く歩んでいこうと、労働組合法が適用される組合として出発しようと結成しました。正規化と労働条件の改善をめざしがんばります。

職員の声を反映できるように

岡山・玉野市民病院労働組合
2016_06_05
▲(右)村上誠二書記長

これまで岡山県自治体一般労働組合玉野支部で活動していた玉野市民病院の看護師が中心となり結成しました。病院の赤字経営を理由に、指定管理者制度を導入しようとする動きのなかで、地方公営企業法の全部適用の病院職場に単独組合として、職場の仲間の切実な要求を反映していきたいです。

より良い保育をめざし組合結成

岡山・元気っ子共同保育所職員会
2016_06_06
▲若林正浩書記長

岡山市でも認定こども園化や民営化、保育士配置基準の緩和などが押しすすめられようとしています。私たちは認可外保育園で、これまで岡山市職労とともにとりくみをすすめてきました。保育の市場化への流れに対し、より良い保育の運動をすすめるために結成しました。

志をともにする仲間とともにがんばります

山口県職業能力開発協会労働組合
2016_06_07
▲(右)中村健太郎執行委員長(左)田中信也書記長

16年前に山口県自治体一般労組に1人加入し、そこから協会や県と交渉して、労働条件の改善を訴え続けていました。今年に入ってから、山口県自治体一般労組に3人が加入したことを受け、山口県職業能力開発協会労組を結成しました。志をともにする仲間とともに改善を勝ち取るため頑張っていきます。

思いを共有する仲間とともにたたかいます

山口・下関市放課後児童クラブ労働組合
2016_06_08
▲瀧口裕也執行委員長

5年前に学童保育とは何だろうと思うようになり、一人でも入れる学童労組に加入しました。市に指導員の厳しい労働実態を訴えましたが、勤務延長や勤務日数増加が強行されました。こうした実態に対し同じ思いをもつ支援員と協力し、今回の結成に至りました。


シリーズ9 民主主義を取り戻す この歩みを止めない

沖縄の自治を守れ 市民が連帯3000人

沖縄県東村高江(ひがしそんたかえ) ヘリパッド建設を国が強行
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▲抗議する人々の背後には機動隊の車両が

世界自然遺産候補・沖縄本島北部の東村~国頭村(くにがみそん)山中に米軍北部訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)があります。

9年前、「北部訓練場の部分返還の代わりに新たに6つの着陸帯(ヘリパッド)をつくる」という国の計画に対して、県内基地闘争の経験を学び、「辺野古新基地NO!」のたたかいと連動しての住民のたたかいが続いています。

現在、新着陸帯は2カ所が完成。オスプレイが離発着を繰り返し、爆音と低周波が睡眠障害など子どもたちにも悪影響を及ぼしています。

そんななか国は参院選投開票日の翌日、県外含む1000人ともいわれる機動隊員を高江に集結させ工事を強行しました。抗議の座り込み排除、県道封鎖・検問・抗議テントの接収で現地は無法状態となりました。まさに緊急事態法の先取りが人々の目の前で行われています。

この間、「国の横暴許すな」と8月5日の決起集会や連帯のとりくみにはのべ3000人が参加。「安倍政権の勝手にはさせない」と沖縄の大切な水源でもある高江で住民による非暴力の座り込みが今も続いています。

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▲抗議する島袋文子さん86歳(中央)


核兵器のない世界へ 2016年 原水爆禁止世界大会

第39回 自治体労働者平和のつどい 8月5日 in 広島
2016_08_01

原爆投下から71年。原水爆禁止世界大会が広島、長崎で8月2日から9日まで開催されました。

大会では、被ばく者の平均年齢が80歳を超えるなか、「被ばく者が生きている内に核兵器廃絶を」と、世界規模での「被ばく者国際署名」がよびかけられました。

自治労連は、8月5日に「第39回自治体労働者平和のつどいin広島」を開催。記念講演では、広島県原水爆被害者団体協議会理事長の佐久間邦彦さんが、自らの被ばく体験を語り、「自治体で働くみなさんには、被ばく者や家族の相談にのってほしい」「核兵器保有国の代弁者となっている日本国政府の態度を改めさせることが私たちの特別な役割」と、署名へのとりくみを訴えました。

静岡自治労連の松本瞬さんからは、6月広島で開かれた「自治体ではたらく青年のつどい」の報告があり、全国で集めた「平和メッセージ」が広島自治労連の青年に手渡されました。

広島市職員労組の伊津弘さんは中国ブロック現業評の平和活動を報告し、高知・室戸市職労の原山裕太さんは、ビキニ環礁水爆実験と被災乗組員の健康追跡調査等を報告しました。つどいには全国から98人が参加し、広島市長と長崎市長からメッセージも寄せられました。

2016_08_02
▲つどいで報告する松本瞬さん


すすむ非正規公共評(21)

署名を力に時間給200円アップ

自治労連千葉県本部 船橋市立時間外保育士労組
2016_09_01
▲「保育現場に格差と差別はいりません」と訴える市庁舎前での早朝宣伝

私たちは朝夕の時間外保育時間に勤務している非正規職員(非常勤職員と臨時職員)で組織する船橋市立時間外保育士労組です。

2015年末、昼間の臨時職員の組合である臨時保育士労組が1月からの時間給290円アップをかちとったことを知り、私たちも期待をもって年末の団体交渉に臨みましが、当局からはゼロ回答。「同じ保育園で同じ子どもたちを見ている非正規なのにどうして?」と疑問が湧き、やがてその思いは怒りに変わりました。「署名でも何でもやろう、絶対にあきらめない!」と組合員の要求が一致したのです。

民間委託に反対し「公立保育園だいすきネットワーク」でともに行動してきた父母会の後押しもあり、待遇改善の署名にとりくむことにしました。署名への協力は正規保育士はじめ地域や全国の人たちに広がり、「最後まで頑張ろう」の思いはますます強くなりました。

昨年12月には市議会の全会派へ現状を訴え、12月と1月に県本部や市職労臨時非常勤評議会の協力を得て市役所庁舎前で朝宣伝を行いました。

そして、2カ月半にわたる行動で集まった3701筆の署名を当局に提出。提出後当局より時間外非常勤職員のみ時間給200円アップの提示を受けました。

要求書を毎年提出し団交を続けて15年間1円も上がらなかった時間給の200円アップは快挙であり、長年の組合活動の成果です。非正規の待遇改善は、船橋市の保育園をより良くするために不可欠であり、時間外臨時職員の賃金アップもめざしてこれからも頑張ります。


STOP!安倍改憲 シリーズ①

改憲・緊急事態条項は「戦争」と「独裁」への道

このシリーズでは、改憲勢力が衆参両院で憲法改正発議に必要な3分の2の議席を占めるなかで、安倍首相がどのような改憲をすすめようとしているのかねらいを明らかにしていきます。

安倍首相は参院選直後に「自民党改憲草案をベースにして、どう3分の2を構築していくかが、政治の技術だ」とのべ、8月の内閣改造直後には、明文改憲を「任期中に行いたい」と発言。憲法審査会での議論をすすめ、各党の合意が得られやすい、国民の抵抗の少ない改憲案づくりを行おうとしています。

「お試し改憲論」の乱暴さ・危険さ

これは、本音である9条改憲が難しいので、「どの条項でもいいから、憲法を修正したい」という「お試し改憲論」とでもいうべき乱暴な考えであり、9条改憲に国民を誘導する危険な手法です。

上智大学の中野晃一教授は改憲を「手術」に例えて「そもそも手術をするというのは、しないとにっちもさっちもいかないという緊迫性があるからする」のであって、改憲派がどこでもいいから何か改憲できるものはないかを探すのは「『どこでもいいから手術したい』と言っているのと同じ」であり、改憲議論に正当性はない、と批判しています。

緊急事態条項は「独裁国家」に

各党が合意しやすいものとして「緊急事態条項」の創設があげられています。「緊急事態条項」とはいったい何でしょうか。自民党改憲草案を見れば、首相の独断で緊急事態を宣言でき、内閣が国会に諮ることなく法律と同じ効力を持つ政令を制定でき、国民の基本的人権や地方自治権を奪うことを可能とし、「独裁国家」につながるものです。

沖縄における安倍政権の対応を見ればその危険性が一目瞭然でしょう。

大震災を口実に緊急事態条項が必要だとの見解もありますが、被災自治体首長も「ふだんからの災害対策の強化」が必要だとし、緊急事態条項を求めてはいません。

戦前の日本やドイツで「緊急勅令」「戒厳宣告」「非常大権」「国家緊急権」が濫用され戦争に突きすすんだ痛苦の歴史からも、「憲法改悪」「緊急事態条項の創設」は絶対に許してはなりません。

自民党改憲草案(ホームページより)

98条
内閣総理大臣は……必要があると認めるときは……緊急事態の宣言を発することができる。
99条
 緊急事態の宣言が発せられたときは、……内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は……地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる
 何人も……国その他の公の機関の指示に従わなければならない


大阪と愛知で職場職種別交流集会開く

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▲前泊教授がリアルな沖縄を語られた

全国自治研を前に、民主的自治体労働者論の実践にむけ、職場について語り合おうと、愛知・大阪で職場・職種別交流集会が行われました。

市民と自分のためにええ仕事がしたい

大阪

今回で20回目となる大阪自治労連・衛都連主催の2016年職場・職種別交流集会が、7月23日・24日に開催され、府内各単組などからのべ155人が参加しました。

1日目の記念講演では、神戸大学の二宮厚美名誉教授が、参議院選挙の結果を受け、公務労働に求められる専門性と「いい仕事」づくりについて、熱く語りました。

特別講演では、沖縄国際大学の前泊(まえどまり)博盛教授から、ジャーナリストとしての体験や、沖縄をめぐる歴史的経緯を交えながら、日本政府が取り続ける沖縄政策を鋭く、そしてわかりやすく話されました。参加者からは「沖縄の、知らされていないことの多くがわかった」「沖縄のたたかいは民主主義を守るたたかいだと痛感した」など、感想が寄せられました。

2日目の分科会前に、猿橋均自治労連中央執行委員長が「今こそ底力を発揮し、憲法をいかし働きがいのある職場・仕事をつくろう」と、自治体労働組合運動の歴史をひも解きつつ、民主的自治体労働者論がどのようにして実践的発展を続けてきたのかを語り、最後は「重大な情勢のもと、あらためて職場や仕事の実態から、憲法を語る運動を巻き起こそう」と訴えました。

それぞれの講演を受けて、9つの分科会では、レポートを持ち寄り、福祉職場、都市農業問題など熱心な討論と交流を深めました。

本音で語り合えた仕事のこと、職場のこと

愛知

自治労連愛知県本部は8月7日、「聞いてみよう、語り合おう、わたしたちの仕事」をテーマに、第2回職場・職種別交流集会を名古屋市で開催しました。集会には7単組47人が参加し、「公務の仕事とは」、「今の職場、しんどくないですか?」など、意見交流しました。

全体会の後、国保、税務で2分科会、生活保護、市民課、しゃべり場の6分科会に分かれ交流・討論しました。生活保護の分科会には4単組10人が参加。「今日は疑問を解決して帰ろう」のよびかけで始まりました。わからないことを誰に聞くかとの問いに「ベテランの先輩に聞く」「日常的にケースごとに検討し対応している」など事例を出し合いました。

また、「職場の従事年数が長いことはいいことか」と意見が出され、「職員の日常生活で支援対象者に出会うことが多くなり、やりにくくなる場合も」「市民からは経験のあるベテランの方がいいとの声もある」など意見交換。業務上の対応が難しい事例を出しあい、実務についての情報交換もすすみました。

参加者からは「これだけ住民のために仕事や職場のことを考えているのは組合しかない。全職員に組合に入ってほしい」などの感想が寄せられました。

2016_11_02
▲他市町村の仲間と仕事について語り合いました


10月1~2日 第13回地方自治研究全国集会 in 茨城つくば

「つくば」で学ぼう住民本位のまちづくり

2016_12_01
▲現地実行委員長 榊原 徹さん

全国の仲間のみなさん、地方自治研究全国集会は、憲法を地方自治とくらしにいかすことを目的に、自治体・公務公共関係労働者だけでなく、住民、業者、議員、学者・研究者などが共同して研究や調査分析を発表し、討論と交流を行って、政策や運動課題を明らかにし展望を示すために開催します。

憲法は、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障し、その権利は、国民が営むそれぞれの地域で具体的に保障されます。その仕事をすすめるのがみなさんです。

憲法にもとづいてくらしを守り、住民本位のまちづくりをすすめることが今まで以上に求められています。住民が生きいきとくらせるまちづくりをどのようにすすめるのか、いっしょに議論しようではありませんか。


熊本被災者支援へ――高知自治労連現業支部

現業職場の役割と存在意義を痛感

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▲益城町中央小学校での除草作業

高知自治労連現評幹事会ではこの間、現業職場の役割と存在意義を考えるとりくみをすすめています。

そうしたなか、「学校用務員の専門性・経験をいかしたボランティア活動にとりくもう!」と、8月3~6日に、地震からの復旧・復興にとりくんでいる熊本県益城町の学校現場を訪れました。

主な活動内容として、避難場所となっている学校から本来の学校の機能を取り戻していくために、校地・校舎の整備・補修、除草作業などにあたりました。

訪れた益城中央小学校では、保・小・中と児童クラブが同じ敷地内で生活しなければならない状況になっています。また、保育所給食は近所の仕出し屋の調理場を借りて調理・配送を行っており、学校給食をお弁当屋さんから配送している状態を直ちに復旧させることが喫緊の課題となっていました。

ボランティア活動終了後には、益城町の学校用務員の方々との懇談を行い、震災を通じて「一校一人の配置では無理」「学校には用務員や学校給食が必要」と、現業職場の役割と存在意義を互いに確かめ合うことができました。

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▲木山中学校の学校用務員さんと高知の仲間


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