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名古屋市職労は、職員が安心して働き続けられる職場づくりのため、当局と安全衛生委員会を開催し、職場を改善しています。
この間、深刻なのはメンタルヘルス(心の病)による休職者です。中央安全衛生委員会では、さまざまな対策を実施しています。たとえば、第一次予防として、教育研修や情報提供、ストレスチェック等を行い、心の健康を保持増進する。第二次予防として、健康相談やリフレッシュ相談などで早期発見・対応する。第三予防として、産業保健スタッフの支援強化などで円滑な職場復帰・再発防止をはかるなど。
しかし、心の病をなくそうとする一方で、当局は職員の定数削減(12年間で約5600人)や、休息時間の廃止など、職員への負担増を強行し続けています。
3月5日に行った本庁残業パトロールでは、定時退庁日でも定時に帰ると回答した人はわずか10%でした。
市職労は、「必要なところには人員と予算をつけろ」、「長時間サービス残業をなくせ」と求め続けています。また自治体職員が「住民の福祉の増進」という本来の仕事ができるよう、市民の立場に立った市政運営を求め、活動します。
2005年6月末、尼崎のクボタの旧神崎工場の従業員79人が、アスベスト(石綿)のばく露による「肺がん」「中皮腫」で亡くなっていることが報道(「クボタショック」)されて以降、毎年被害者は拡大し続け、アスベスト関連企業だけでなくその家族や周辺住民など全国に広がり、自治体職員や教職員にも被害が出ています。
最近では阪神淡路大震災(1995.1.17)で倒壊した建物の解体作業に従事し、その後、「中皮腫」を発病した兵庫県内の男性(36)に対し、姫路労働監督署が2008年2月に労災認定しています。
このようにアスベスト(石綿)による健康被害が大きな社会問題となるなか、浜松市職員の消防士と電気技術者の2人の方が「中皮腫」で亡くなられています。
消防士の方については、石綿などを吸引した時期及び場所は不明ですが、建物火災現場において石綿を含むとされるスレート材の屋根を至近距離から破壊しながら消化活動にあたるなど、火災現場等において石綿を吸引し、『右びらん性胸膜中皮踵』を発症したと思われます。
電気技術者の方については、アスベスト吹き付けやアスベストを含んだ建築資材を加工している現場に立ち入り、電気配線工事を市監督員として工事管理を行っていたため、住宅営繕課に勤務時の多数の工事現場にて、長年にかけてアスベストを吸引していた疑いがあり、『悪性胸膜中皮腫』の発症を引き起こしたと思われます。
被害家族救済のためにも一刻も早い「公務上」認定が急がれます。
浜松市職は、アスベスト関連職場で働いていた職員に対する「アスベスト健診」を要求し、「公共建築課」のほか「消防署関係」「上下水道」での実施も実現させています。
4月10日、「働くもののいのちと健康を守る全国センター」(いの健センター)は、労働災害と公務災害の不服審査制度の見直しについて、日本労働弁護団・過労死弁護団全国連絡会議・全国労働安全衛生センター連絡会議とともに、「国民の権利救済に逆行する制度変更に強く反対する」緊急アピールを発表しましたので、紹介します。
政府は11日、行政不服審査法改正案などを閣議決定し、国会に上程されました。
今後、国会要請行動等、改悪阻止に向けて運動を行っていきます。
引用:
行政不服審査制度の抜本的大改正の流れに背く
労災保険審査制度および公務災害審査制度の大改悪に反対する緊急アピール
1 労災保険審査制度
労災保険は、仕事が原因で怪我をしたり病気になったり死亡した労働者とその家族の生活を守る命綱である。
この労災保険給付について、支給するか否か、また、いかなる内容の保険給付を行うかを決定するのは、全国各地にある労働基準監督署長である。労働基準監督署長の決定に不服がある労働者や遺族は、各都道府県毎に設けられた労働局の労災保険審査官に審査請求を行って救済を求めることができる。労災保険給付に関する審査請求は2005年度に1540件であり、毎年千数百件の審査請求がある。
この審査制度は、各種の労災事故や過労死、石綿疾患等々の職業性疾病に関する労災保険給付が適正になされるために、重要な役割を果たしてきた。
その上で、従前、審査請求は二段階の制度とされ、審査官決定で救済がなされない場合には、東京にある労働保険審査会に再審査請求をすることとされている。
2 行政不服審査制度全般の抜本的大改正とその方向性
総務省では、行政不服審査制度全般の抜本的大改正を目指す行政不服審査法の改正案を今国会に上程すべく準備を進めている。
日本の行政不服審査請求の総数は2005年度に1万1226件あり、その中で労災保険給付に関する審査請求の件数は13.7%を占めている。このため、労災保険給付に関する審査請求の今後の在り方について、どのような制度設計を行うのかは、行政不服審査制度の全般的在り方とも関わる重要な問題である。
総務省が設けた行政不服審査制度検討会の最終報告書(2007年7月)では、今後の行政不服審査制度の在り方に関する基本的な方向性として、(1) 審査請求と再審査請求の二段階の制度を改め、審査請求に一元化し、(2) 行政処分庁の直近上級庁が審査請求を扱い、(3) 独立性のある審査担当者である「審理員」を確保し、(4) 審査手続の場で当事者が原処分庁に直接質問したり証拠の開示を求めたり審査担当者に意見を述べることができる対審構造とすること等、が示されていた。
3 労災保険審査制度の制度変更案
従来、労災保険を巡る行政不服審査制度の内容は、行政不服審査法の特別法である「労働保険審査官及び労働保険審査会法」で定められていた。
厚生労働省は、行政不服審査法の抜本的大改正が準備されるのに併せて、「労働保険審査官及び労働保険審査会法」に代わる「労災保険に係る処分についての不服審査等に関する法律」(仮称)を制定しようと準備を行っており、本年4月8日、労働政策審議会(会長菅野和夫)に法案要綱を諮問し、同審議会(労働条件分科会労災保険部会)はこれを承認する旨の答申をした。
しかるに、この法案要綱の内容は、総務省が設けた行政不服審査制度検討会の上記の最終報告書が指し示している方向とは全く逆の内容のものである。すなわち、(1) 労働基準監督署長の決定に不服がある場合、まず、同署長に対して再調査請求を行うことを義務づけ、この手続を経た上でなければ労働保険審査会に審査請求ができないものとして、二段階の審査請求制度を事実上温存しており、簡易迅速な手続が指向されていない。しかも処分をした労働基準監督署長が再調査を行うのは救済手続としての実効性が期待できない。(2) 労働基準監督署の直近上級庁である各都道府県労働局内に設置された労働災害補償保険審査官が審査請求を扱うのではなく、全国に1カ所しかない労働保険審査会(東京)のみが審査請求を扱うこととされており、国民の権利利益の救済に資するものとはされていない。
さらに、審査請求を扱うとされる既存の労働保険審査会には多くの問題がある。その第1点は、救済率が年平均4~6%程度と低く(2005年度は4.5%)、司法判断に比べても行政追認の姿勢が顕著なことである。さらに、その第2点は、事務処理能力の欠如が顕著なことである。すなわち、労働保険審査会は、長期未済事件を大量に抱えている(2005年度に新規請求件数が463件であるのに、同年度末の未処理残事件数は1164件)。また、事務処理能力の欠如を補うために、「再審査請求事案に係る専門的事項に関する業務の委嘱」と称して、審査請求事件の事実関係の整理等を厚生労働省関係OBに外注している(2005年度の委嘱数は343件)。審査能力や事務処理能力の欠如は目を覆うばかりである。したがって、厚生労働省が企図している労災保険審査制度が実現された場合には、「遠い」「遅い」「悪い」と呼ばれてもやむを得ない労働保険審査会が、労災保険審査制度を担うことになり、権利救済機関としての十分な役割を果たすことを期待することは困難である。
したがって、厚生労働省が企図している労災保険に関する新たな審査請求制度は、行政不服審査制度の全般的改革が目指している方向(簡易迅速で公正な手続により、国民の権利利益の救済を図り、行政の適正な運営を確保する)とは全く逆行するものであると言わざるを得ない。私達は、このような制度変更に強く反対する。
4 労災保険に関するあるべき審査請求制度
私達は、労災保険を巡る審査請求制度について、行政不服審査制度全般に関して既に示されている前記の基本的な理念や方向性に即して、改正がなされるよう求める。
すなわち、(1) 審査請求手続は、二段階とせず、一段階とし、(2) 審査請求手続を担う組織は、各都道府県の労働局毎に設け、(3) 審査請求手続を担う組織は第三者機関として独立性を確保し、(4) 審査請求手続は対審構造とする、ことを求める。
特に、この中の(3)について注意を喚起するに、地方公務員の災害補償制度の場合には、すでに、地方公務員災害補償基金の都道府県支部毎に審査会が設けられており、この審査会での審査は弁護士や学識経験者等が担ってきた。このように行政からの独立性が相対的に高い組織が審査手続を担ってきたことにより、民間労働者の場合より地方公務員の方が遙かに高い割合で救済が図られてきた。このことは、労災事件を取り扱う専門家の間では公知の事実である。このことに照らしても、行政から相対的に独立した第三者機関を設けることは、労災保険の審査請求制度の場合において、喫緊の課題である。
5 公務災害に関する審査制度の改悪
地方公務員の公務災害については、民間労働者の労災保険制度とは別に、地方公務員災害補償制度が設けられている。総務省は、今回の行政不服審査制度改革の中で、厚生労働省の企図と連動し、地方公務員の公務災害に関する審査制度を一段階化し、地方公務員災害補償基金の支部審査会を廃止することを検討している。
基金本部は、過労死事件等において、「本部協議」を行い、支部長の判断と異なる「公務外」の意見を述べて、救済を拒絶している。従来、本部審査会は、司法判断や支部審査会よりも救済率が低いのであり、このような本部審査会に一本化すれば、地方公務員の権利救済を図ることと逆行することになる。
求められるのは、支部審査会が担ってきた救済機関としての実を挙げることにあるのであり、本部審査会を審査請求機関とすべきことではないのである。
よって、私達は、地方公務員災害補償に関する審査制度の改悪にも強く反対するものである。2008年4月10日
日本労働弁護団
過労死弁護団全国連絡会議
全国労働安全衛生センター連絡会議
働くもののいのちと健康を守る全国センター
行政不服審査法「改正」による不服制度見直しにともなって、労災・公務災害の不服審査制度が「改正」されようとしています。働くもののいのちと健康を守る全国センター(いの健センター)は4月9日、3月20日に開催された「労働災害不服審査制度のあり方を問うシンポジウム」での「国会への働きかけを強めてほしい」という意見を踏まえ、労働不服審査制度に関する国会議員要請を行いました。自治労連のほか、全労働、過労死を考える家族の会、地方センターから12名が参加し、衆参の総務委員会・厚生労働委員会の理事を中心に要請を行いました。
行政不服審査法「改正」に関わっては、その関連法案として350の法律(個別法)の改正案が上程され、審議されます。350の法案のひとつとして、民間の労災認定に係る労働保険審査会法や地方公務員の公務災害認定に係る地方公務員災害補償法の改正案がありますが、政府は、実質的な審議をしないまま、すべての法案を一括して成立させようと狙っています。
要請では、「改正」の中心点である「中央に審査を一本化」することはきわめて問題であることを指摘し、労働保険審査会法、地方公務員災害補償法の改正案は、行政不服審査会法改正案と抱き合わせで成立させず、厚生労働委員会、総務委員会等で十分な審議をするよう、訴えました。
また、申請者の意見陳述等を十分に保障し、調査、審議も十分に行う第三者性を確保した審査機関で公平に迅速に行うものとするため、地方公務員に関わる地方公務員災害補償法については、本部審査会に一段階化ではなく、支部審査会に一段階化するよう要請しました。
行政不服審査法改正案は、11日の閣議決定を経て国会に提出される見込みです。審議入り前で法案の中身をよく知らない議員も多数いることがわかり、今回の「改正」の重大性を伝えることができました。
自治労連が行った「地公災基金・不服審査制度に関する緊急アンケート」でも、本部審査会に一段階化された場合について、公務災害認定闘争をたたかっている地方組織から、「被災の現場実態が反映できない」「民主的な運営ができない恐れがある」「口頭意見陳述の機会が奪われる可能性がある」「審議が形式化・形骸化される」など、たくさんの問題点が指摘されています。
今後、いの健センターは、国会議員へのファクス要請行動も検討しています。引き続き、不服申請者の立場にたった労働災害不服審査制度をめざし、取り組みを強めていきます。
3月15~16日、いの健センター公務部会主催の第3回公務災害認定闘争全国交流集会が静岡県伊豆長岡で開催されました。自治労連・全教・国公労連・初参加となる福祉保育労のほか、地方センター、弁護士、医師、被災者・遺族など、全国から59名(自治労連からは23名)が参加し、2日間にわたって熱心に討論・交流を行いました。
討論に先立ち、「公務部会のこの間のとりくみと情勢の特徴」を自治労連の藤田委員が報告しました。この中で、昨年5月に実施した基金本部の交渉で基金参与の公正な任命を強く申し入れたことや、第2回交流集会以降の各単産の公務災害状況の到達点と現状、また公務災害不服審査制度の見直し作業が始まる中で、総務省へ働きかけてきた状況などが話されました。
第1テーマでは、「医学的知見」「医学的意見書」に焦点を絞り、堤浩一郎弁護士は、これまで取り組んできた事件を紹介しながら、基金本部のずさんな収集方法によって作成された「医学的知見」が、「公務外認定」の理由とされていることを問題点として指摘しました。この「医学的知見」の不当性を問いただしていく活動を強めること、主治医との信頼関係を築くことを強調しました。田村医師は、医学的意見書を担当した立場から、主治医との連携、日常的な医師を含めたネットワークづくりの重要性を訴えました。
第2テーマでは、「国立循環器病センター看護師の村上過労死事件」について、有村とく子弁護士が報告しました。なぜ「公務災害」と認定されたのか、については、「支援する会」を中心とした幅広い支援や、量的過重性(時間外労働)と質的過重性(勤務密度の高さ)を総合して評価させたこと、同僚の証人尋問などを挙げました。
第3テーマでは、「アスベスト事案の闘争」にかかわって、全教滋賀の村井竜雄さんが現在闘争中の事案について報告。続いて、静岡自治労連の土屋晴男さんから「浜松市職員アスベスト公務災害認定請求」について経過・現状の報告があり、参加した遺族の方からも、「公務災害認定」を目指し、支援の訴えがありました。
谷智恵子弁護士からは、じん肺弁護団での経験から、民間の闘いの情報や法的な技術を学ぶ機会を持ってはどうか、という提起がありました。田村医師からは、どこで暴露したのか、基金に調べるよう要請する運動が必要であること、情報公開の活用などのアドバイスがありました。
最後の第4テーマでは、「闘いの報告・交流」を行いました。はじめに、大阪・村上事案、刈谷・倉田事案、仙台・大友事案、福祉職場の労災認定闘争の4つの特別報告がありました。倉田事案については、西尾市職労の簗瀬委員長(支援する会事務局長)が報告を行い、基金支部審査会の口頭意見陳述で24名の傍聴参加を認めさせた取り組みなどを紹介。また、遺族である妻の利奈さんからも、行政訴訟の準備を進めており、引き続き支援を求める訴えがありました。
会場からは、元大阪市保育士の過労死事件や吹田市ホームヘルパー事案をはじめ、全国各地のたたかいの報告、また、請求者本人であった神奈川県の宝子山尚生さんからは、申請時の教訓や同僚・友人からの励ましが大きな支えになったとの発言もありました。また、「もっと国会対策を強めてほしい」、「行政不服審査法改正の動きについて、全国に知らせていく必要がある」などの意見も出ました。
最後に、全教の高橋信一委員が「認定闘争勝利にむけて全力を挙げよう」と、まとめのあいさつをして集会は終わりました。![]()