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自治体の仲間

 

2010年10月号 Vol.443

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム
第105館
石川県加賀市 硲(はざま)伊之助美術館
古九谷五彩の調和に共鳴
 「古九谷(こくたに)」をご存知ですか? 今回紹介するのは九谷焼発祥の地、石川県加賀市の硲伊之助美術館です。
 きらびやかなイメージの九谷焼ですが、九谷焼よりさらに遡って17世紀半ばに創り出された古九谷の特徴は、墨線の上の強い透明感を持った堅牢な絵の具と完璧で大胆な構図による色彩調和です。「五色の九谷」と言われるように赤・青・黄・紫・緑の色彩の美しさと力強さが調和した古九谷は人を引き付ける大きな力があります。
 古九谷は350年前、藩財政を維持するため大聖寺藩が創り出したもの。当時の役人たちの思いは、現代の私たち自治体労働者に通ずるところがあるのではと思わずにはいられません。
 洋画家・硲伊之助(1895〜1977)は古九谷の持つ絵画性、色彩の調和に強く惹かれて、古九谷を継ぐにはその土地でと、東京から移り住み、62年に九谷吸坂窯(すいさかがま)を開きました。
 美術館には硲伊之助が戦前の渡欧中に描いた油絵から晩年の色絵磁器まで常時50点を展示し、毎年1回展示替えをしています。
 建物は地元の大工によるこの地方の特徴を備えた伝統技法による木造建築です。古民家を移築した館長夫妻の自宅兼工房が隣接し、ともに木立の奥にひっそりとたたずむ姿に癒されます。
 美術館は、硲伊之助の遺志を継ぐ海部公子(あまべきみこ)・硲紘一夫妻が94年に開設し、友の会の支援で運営されています。海部公子さんは九谷焼の色絵磁器画工として、身近な自然を題材に生命力あふれる作品を、硲紘一さんは陶芸家として吸坂焼も制作しています。自らも創作活動を続けながら、作品の展示・収集・修復を行い、コンサートや講演会などの活動で地域との交流も行っています。
 山代・山中温泉にほど近い美術館です。温泉巡りの合間にちょっと足を延ばして、海部・硲夫妻の古九谷にかける熱い思いを聞きに出かけてみませんか。


▲戦前に描かれた油絵から晩年の色絵磁器まで展示
▲緑に囲まれた美術館の正面玄関


ミュージアムメモ
所在地/ 石川県加賀市吸坂町4−3
交通/ JR北陸線大聖寺駅から車で5分、駅前から山代・中山温泉方面行バス上河崎下車徒歩5分
開館時間/ 金・土・日・月、午前10時〜午後5時(展示替えのための休館日あり、火・水・木も電話予約等で開館可)
入館料/ 大人500円、高校生以下無料
問い合わせ/ 0761−72−0872

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