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自治体の仲間

 

2010年8月号 Vol.441

悠湯旅情
第121湯
食と歴史が香る港と街 福井県小浜市
「海のある奈良」と呼ばれる大陸から奈良・京都へ通う道
 NHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』の舞台になったり、名前が同じことから「オバマ候補(大統領)を勝手に応援する会」をつくったりと、何かと話題になった福井県小浜市ですが、実は大陸と奈良、京都を結ぶ最短の経由地点であった若狭地方の中心として「海のある奈良」という別名でも呼ばれる古い歴史を持っています。
 JR東小浜駅から遠敷川(おにゅうがわ)沿いに北上したところに神宮寺と「鵜の瀬(うのせ)」という川の瀬があります。3月に奈良・東大寺で行われる修二会(しゅにえ)は通称「二月堂のお水取り」と呼ばれますが、水は寺内の「若狭井」から汲まれます。この若狭井の水は、「鵜の瀬」から送られたものとされ、神宮寺で汲まれた水を1・8キロ上流の鵜の瀬から送る儀式が毎年3月2日に行われる「お水送り」で、地元住民が代々継承してきた松明行列や送水神事を見ることができます。東小浜駅からレンタサイクルで20分ほど。瀬のあたりは公園になっていて、資料館も建てられています。
 時代が下ると若狭湾で採れた魚を京の都へ送る供給地となり、若狭から京への道を「鯖街道」と呼ぶようになりました。鯖街道はいくつかのルートがありますが、小浜市から滋賀県・朽木村を通り京都・出町柳に至る若狭街道、琵琶湖畔の近江今津に至る九里半越、遠敷川の上流から最短距離で京に至る針畑越などが知られています。「京は遠ても十八里」と言われ、最短で80キロほどの道のりを昼夜通して京に歩き着いたころには、鯖がちょうどよい塩加減になったと伝えられています。市内の中心部には鯖街道起点のプレートや鯖街道記念館があります。
 江戸時代には港としても栄え、その面影は三丁町の街並みにも残っていて、『ちりとてちん』のロケにも使われた建物が、「街並みと食の館」となっています。9月には300年の歴史を持つ若狭地方最大の秋祭り、放生祭(ほうぜまつり)が行われ、小浜城下の町人町の居住区であった24区の半分が隔年で、神楽、大太鼓、獅子、山車の演し物を出して旧小浜町内を巡行し、芸や囃子を披露します。
 古代より志摩、淡路と並んで「御食国(みけつくに)」として朝廷に海産物などを貢いだ地方で、海産物は豊富です。若狭甘鯛、若狭ガレイ、若狭フグをはじめ、鯖は鯖寿司やへしこ(糠漬け)として、またレンコダイを使った小鯛のささ漬も名物です。


▲ここから奈良・東大寺の若狭井にお水取りの水を送るとされる鵜の瀬
▲毎年9月に行われる放生祭で引き出された山車−小浜城下の町がそれぞれ神楽や太鼓などを演じる


温泉メモ
【濱の湯】
所在地/ 〒917−0081
福井県小浜市川崎3丁目4番
御食国(みけつくに)若狭
おばま食文化館3階
交通/ JR小浜線小浜駅より車で10分
開館時間/ 午前10時〜午前12時
休館日/ 毎月第3水曜日
料金/ 中学生以上600円、
子ども(3歳以上)300円
問い合わせ/ 0770−53−4126
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