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自治体の仲間

 

2010年7月号 Vol.440

悠湯旅情
第120湯
情緒あふれる「イーハトーヴ」の原風景 岩手県雫石(しずくいし)町
ウグイス、紅葉、滝…豊かな自然と温泉が堪能できます
 岩手県盛岡市からさらに西。秋田県との県境に接する雫石町は、面積の多くを山岳や高原が占める自然豊かな町です。人口2万人弱の静かな町ですが歴史は古く、町内の複数の史跡から氷河期のものと見られる石器が発掘されるなど、先史時代以前からすでに人々が定着していたことが裏付けられています。「雫石」の語源は、神社の境内にあった杉の湧水が、岩を伝い滴(雫)となって落ちたのを水神様として崇めていたことに由来すると言われています。
 雫石は「イーハトーヴの郷」としても親しまれています。イーハトーヴは、詩人であり童話作家でもある宮沢賢治の作品に何度も登場する理想郷です。賢治は中学生のころから何度も雫石を訪れ、ここを旅した情景を作品としても残しており、生涯を通じて大きな影響を与えたといわれています。ちなみに「イーハトーヴ」は、「イハテ(岩手)」をもじった造語で、雫石をはじめとした岩手の情景が賢治の原風景として強く心に焼きついていたことをうかがわせます。
 町内の見どころのひとつとして上げられるのが「小岩井農場」です。1891年に開設された国内唯一の民間総合農場で、小岩井乳業株式会社の母体となっています。
 また、小ぶりながらも豊かな水量をたたえ、新緑や紅葉の時期に特に美しさを増す「逢滝(おうたき)」や、弘法大師の杖が根付いたもので樹齢800年とも伝えられる「弘法桜」など、情緒ある風景を堪能することもできます。
 雫石には温泉も多く、10以上の温泉地が点在しています。そのなかでも最も規模が大きいのが「鶯宿(おうしゅく)温泉」です。この温泉の開湯は450年以上前で、ウグイスが傷ついた足を温泉にひたして癒やしていたため、「鶯宿」の名がついたとされています。春にはその名のとおり、ウグイスの鳴く声が聞かれるのも風情があります。
 泉質は硫黄泉で源泉の温度60度程度と高く、湯量も豊富です。近代的で大規模なホテルや街道沿いの民宿が並存するほか、昔ながらの湯治場の趣を残した自炊宿など20以上の宿泊施設が並び、温泉街中心には無料の足湯も開設されています。
 戦後、盛岡市が急速に都市化するなか、その「奥座敷」としてのたたずまいを残しており、ゆったりとした温泉旅行が味わえます。


▲美しい流れをたたえる新緑の「逢滝」、紅葉のころにはまた違う姿を見せてくれます
▲宮沢賢治『風の又三郎』の像。町内にはこのほかにも賢治にまつわる碑などが見られます


施設メモ
【鶯宿温泉観光協会】
所在地/ 〒020−0574
岩手県岩手郡雫石町鶯宿
6−25−20
▲温泉街の中心にある「うぐいすの里公園」には無料の足湯も
問い合わせ/ 019−695−2209
ホームページ/ http://www.
ousyukuonsen.com/
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