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自治労連機関紙

自治体の仲間

 

2009年新年号 Vol.422

My Way My Life
(106)
長崎自治労連自治体一般労組 高橋 吉孝さん
今ある自然と長崎の町を次の世代へ
 
 昨年、長崎で開催された「自治労連第30回定期大会」では、現地速報『アンゼラスの鐘』のカメラマンとして奮闘する高橋さんの姿がありました。高橋さんは長崎市美術振興会写真部会の会員であり、専門としている風景写真の腕を買われての大仕事でした。
 高橋さんが長崎で続けている、もうひとつの大きな“仕事”に「平和ガイド」があります。毎年8月を中心に、平和を学ぶフィールドワークなどで被爆遺構を歩き、案内役を務めます。爆心地公園、平和公園、浦上天主堂、原爆資料館などコースや時間はさまざまです。平和公園であれば平和祈念像が最も知られているところですが、公園登り口横の駐車場にある防空壕跡や、浦上天主堂の北側の鐘楼が爆風に飛ばされ、落ちたままの姿になっている「鐘楼ドーム」など、これまで知らなかった被爆遺跡の多さに驚かされます。しかし被爆都市長崎から被爆遺構が都市計画の名のもとに消え去っているのも事実です。
 なかでも、原爆落下中心碑を新たに制作した「平和の母子像」に置き替えるという行政の動きに歯止めをかけた市民運動は、長崎市民の圧倒的世論の勝利でした。また、爆心地に一番近い国民学校だった城山小学校の被爆校舎は、資料館となって存続しています。「私はこうした被爆都市としての姿や自然を、手を加えずに次の世代に伝えていきたい」と高橋さんは言います。
 現在の若者が置かれている労働環境の問題でも「自分の子どもたちの世代が、自信や夢を持って働ける社会にしていきたい。平和も、働く環境も、大人が子どもに何を残せるか、その責任を追及したいんです」と語ります。そんな高橋さんがいちばん嬉しいと感じるのは、一度、平和ガイドで会った子どもが翌年に近所の友だちを誘ってくること。「私たちの活動は点でしかないけれど、それはやがて線につながっていくと思います」
 先の自治体一般労組の大会で、高橋さんは書記長に就任しました。「厳しい現実であっても楽しい組合活動をめざしたい。そして、いま置かれている状況と、心の安らぎである写真とを両立して、今ある自然と長崎の町を次の世代にバトンタッチしたい。それが私のやりたい運動かな」。やさしい口調のなかに強い信念を感じます。


▲被爆後の爆心地付近の様子を写真で説明する高橋さん。「手前の建物は医学部の校舎で、授業中だった学生や教師は全員爆死しました」
▲高橋さんが撮影した福岡市・東長寺のソメイヨシノ


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