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自治体の仲間

 

2008年10月号 Vol.419

ドキドキ世界見たまま
第103景
モンゴル
東京・世田谷区職労 山口 篤志さん
身体の奥から無邪気なエネルギーが湧いてくる
 「西紀1162年のことである。黒竜江はその上流において、オノン、ケルレンの2つの支流に分かれるが、その流域の草原地帯や森林地帯に居住する遊牧民モンゴルの聚落の首長の幕舎(包)に、ひとりの男児が生まれた」―というのは、チンギス・ハーンの生涯を描いた井上靖の『蒼き狼』の出だしですが、2年ぶり10回目のモンゴルは、このケルレン川をめざして日本人9人、モンゴル人4人、上は60歳から下は8歳まで老若男女計13人の騎馬隊が、時にテクテク、時にタカタカ、時にガーッ!とかっ飛ばしながら往復6日間をにぎやかに旅したのでした。
 青い青い空、どこまでも続いていく草原と、その上をスイスイ吹き抜けてく風、羊・ヤギの群れを馬で追う遊牧生活、さえぎるもののない満天の星空。それってな〜んにもないってこと?と言われればそうかも。トイレもお風呂もないし。その中を朝から晩まで馬で駆けて、食べて飲んで笑って寝るだけって、馬鹿じゃないとできない?でも草原にいると、身体の奥の方から無邪気なエネルギーがもくもく湧いてきて、心底楽しいです。
 さて、遊牧民は馬上でよく歌いますが、その姿も歌声も、草原にこの上なく似合ってあまりにカッコいいので、毎回何曲か教わります。こちらで圧倒的に多いのは馬、そしてお父さんやお母さんの歌です。今回、教わったのは「ズールン ザンボーリアン」という歌で、直訳は「やわらかい世の中になるよ」。いい言葉ですね。
 今の世の中が、やわらかくて生きやすいとは決して感じられないけれど、東京の空もモンゴルまでずーっと続いているわけで、その下の草原で「また会おうね」と言った友だちが今日も歌っていると思うと少し励まされるってもんです。


▲3日目、無事に目的地のケルレン川に着き、冷たく澄んだ水で一息つく馬たち
▲進化形ゲル(移動式住居)。ソーラーパネルとパラボラアンテナを一緒に運べば、遊牧生活でもテレビが見られるって面白い!
     


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