自治労連機関紙
2008年2月号 Vol.411

|
発掘は炎天下や悪天候の中での作業、そして遺物の復元、拓本や実測など、根気のいる仕事です。「例えば石器の使い方でも、石器に残っている光沢や傷のでき方で、それが肉を切るための道具だったのか、皮なめしをするものかなどを推定します。その時代の人たちが何を考え、なぜそういう生活をしていたのかを追究するために、道具の作り方や使い方を分析し、仮説を提示できるところがおもしろいですね」と笑いますが、土器の接合面を見つめる時の吉田さんの表情は真剣そのものです。
民間委託化反対の住民署名を県に提出
いま神奈川県では、第三セクターとしてのかながわ考古学財団を廃止し、すべての発掘調査を民間委託する方針が示されています。「神奈川の文化財の未来を考える会」が実施している反対署名には1万6000筆が寄せられ、昨年3月、松沢成文・神奈川県知事に提出しました。署名活動は引き続き、財団のイベントや遺跡見学会などでとりくんでいます。「自治体が調査組織を失い、文化財調査が儲けの対象にされることは県民サービスの低下にもつながり危険です。財団と文化財の必要性を知ってもらえるよう、広く訴えていきたい」と決意を語ります。
「発掘現場は、記録保存の出発点で重要な場所。また接合作業からは重要な知見が得られ、発見があります。より多くの成果を周りの人たちに知らせ、還元していきたい。そのことは、わたしたちの未来につながっていきますから」と吉田さん。
最後に「もしタイムマシンがあったら?」と尋ねてみました。すると「どの時代も全部のぞいてみたい。欲張りですよね」と、少年のような笑顔になりました。
▲竪穴住居から出土した平安時代の「須恵器(すえき)」を手にする吉田さん |
▲壷形土器の破片を接合中 |


