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自治体の仲間

 

2008年新年号 Vol.410


「移転を受け入れないと補助金ださぬ」
こんな理不尽な国の対応は許さない

 インド洋から海上自衛隊が撤退。軍事政策を国民の力で変更させたのは、日本の歴史上でも初めての出来事です。一方、「米軍再編」に協力しない自治体には補助金、交付金をカットする国のやり方に住民が怒りました。いま、「米軍基地も爆音も戦争指令部も原子力空母もいらない」と首長、議会、住民が立ち上がっています。

▲「怒」の文字を掲げた「怒りの1万人集会」(錦帯橋河川敷)
▲井原勝介岩国市長

山口県岩国市 国の仕打ちに1万1000人の怒
井原市長の熱い思い「地方財政と民主主義を守る問題だ」

 岩国市では、米軍岩国基地への米空母艦載機部隊の移転計画に対して、岩国市民が一昨年3月の住民投票で明確に反対の意思を示しました。政府はこの姿勢を貫く井原勝介・岩国市長に、市庁舎建設への35億円もの補助金を一方的にカットし、移転の受け入れを迫っています。そのため工事がストップしています。もともと国の市庁舎建設の補助金は2004年の空中給油機移転の受け入れにともなう国の処置で、すでに14億円が交付されているものです。こうした事態に岩国市民が立ちあがり、12月1日、岩国市の錦帯橋の河川敷で「国の仕打ちに怒りの1万人集会」を開き、岩国市民はもとより、西日本一帯から1万1000人が参加しました。
 井原市長は「国のやりかたはまさに兵糧攻め。岩国は基地をなくせといっているのではなくこれ以上の負担はダメといっている。いち岩国市だけの問題ではない。地方財政と民主主義を守る問題だ。この集会で10万、100万の味方を得た思い。身を挺してがんばりたい」と熱い思いを語りました。
 集会では参加者の怒りの思いをこめた「怒」の文字を大きく掲げて、「庁舎建設補助金を国に出させるまで運動を強めていく」との決意を明らかにしたアピールを採択しました。


河済 盛正 山口自治労連委員長

 すでに約束していた補助金を、国の言うことを聞かないからといって、一方的に支出しないということは、明らかに権力の乱用であり、法治国家として取ってはならない行為です。まさに民主主義をないがしろにする、断じて許せない行為です。同時に国と地方、国と国民の信頼関係を踏みにじり、地方自治、住民自治を破壊する不当な攻撃です。
 私たちは、住民が主人公となる自治体の建設にむけて、住民と共にたたかう決意です。

NO! 「米軍司令部、原子力空母はゴメンだ」
岩国・沖縄に連帯し、1万3000人の大集会
神奈川県 座間市
12月19日 司令部発足式典 県・周辺自治体は出席せず


 市長も、議会も、住民も、みんな反対している米陸軍キャンプ座間への米陸軍第一軍司令部の移転。昨年12月2日に「戦争指令部ノー、爆音も原子力空母もゴメンだ!」で1万3000人の首都圏大集会が、岩国市や沖縄と連帯して座間市で開催されました。
 国と座間市の間には「基地縮小に最大限努力する」という国の約束があるものの、一方的に基地強化と恒久化が押しつけられています。さらに岩国市と同様に「基地再編交付金を交付しない」と座間市を交付金指定から排除。札束をちらつかせて自治体を国策に従わせるやり方に、住民からは「地方自治の原則を踏みにじる」と抗議と怒りが広がっています。
 12月19日キャンプ座間に新司令部が発足。発足式典には神奈川県知事、周辺首長の全員が出席しませんでした。星野勝司座間市長は「指令部発足の編成式が行なわれたことは、誠に残念」とコメントしました。
 米軍基地縮小・返還、平和のたたかいはこれから。自治体と住民が心をひとつに頑張っていきます。

▲「戦争はイヤです」と子どもたちも訴えました

植松 賢也 座間市職労委員長

 「在日米陸軍第1司令部がキャンプ座間に移転!」と、新聞紙上で踊るこの言葉が、心に重く不穏な毎日を押し付けています。12・2首都圏大集会は、県内外から集まった人々と平穏な毎日を取り戻すための1日となりました。移転に反対する座間・相模原・周辺連絡会の一員として集会の成功を祝いたいが、まだまだこれからたたかいは続きます!
 


こんな地域、日本をめざして頑張る仲間たち

 全国で地域間格差、所得格差が広がり、平和が脅かされ、「地方行革」のもとで地域が崩壊し、医療が破壊され、生活が困難になっています。自治体職場でも民間委託・非正規化が推進され、これまでに経験したことのない困難な問題に直面しています。こうした課題に立ち向かい職場、地域で運動を広げている全国の自治労連の仲間を紹介します。

医療をささえる自治体から
住民のいのちと健康を守り安心してくらせる地域に
北海道 根室市労連


 日本の最東端に位置する根室市、市立根室病院は、3次医療機関の釧路市まで救急車で2時間30分もかかる、根室地域唯一の2次救急指定病院であり、市内唯一の総合病院です。しかし、新臨床研修医制度の影響もあり、17人いた常勤医が2007年4月には6人と激減、産科の出産分娩の休診、外科・整形外科の手術入院もできなくなり夜間救急外来も休診している状況のなか、同年2月には、近隣の別海町の病院に向かう途中、自家用車のなかで赤ちゃんを出産してしまう事例もありました。
 根室労連、医労連、根室市労連などが「根室の地域医療を守る連絡会」を結成、同会が実施した住民アンケートでは8割の回答が市立病院の現行診療体制の確保を望んでおり、「医師確保を求める署名」には、町内会婦人部や漁協などがすすんで協力してくれました。
 市民からは、「病院存続の危機は、市民の命と街の存続に関わる問題」などの声が多く寄せられ、住民の6割にのぼる1万8000筆の署名を厚生労働省、内閣府及び北海道に提出しました。
 今後も市労連は、自治体病院が地域医療の確保・充実という役割を発揮していくために、住民と自治体・医療関係者が力を合わせ、健康で住み続けられる「まちづくり」の要望を反映させる運動を進めていきます。

▲住民の6割にのぼる1万8000筆の署名が集まりました

営業・くらし、地域の活性化はかる自治体から
「給食まつり」を大成功させて商店街に賑わいをとり戻す
広島市職労


 「一自治体一共同」の実践として位置づけた「ひろしま給食まつり」は、“専門性の追求”を市民にアピールし、安全で安心な学校給食の意義や価値を地域住民と共有するため、継続してとりくんできました。4回目となった今回、企画のなかで、「かつては学生街として賑わった市役所近くの商店街が、広島大学の移転や長期不況により集客力が弱まっている一方で、大規模店舗の進出などで、シャッター街化が加速している。このような時、労働組合と地域とが共同していくことが大切ではないか」との議論があり、地元商店街と協力して「給食まつり」を開催、約3000人の参加で大成功しました。規制緩和による「街こわし」や自治体リストラによる「安上がりな行政」を労働組合と地域の商店街が力を合わせて跳ね返すことが必要です。子どもたちの健やかな成長を願い、「安全でおいしい給食のあり方」を問いつづけ、地域住民と共同した「安全・安心な街づくり」と結合して、さらに発展させることを追求していきます。

▲3000人の市民が集う「給食まつり」=広島市タカノ橋商店街

平和を発信する地域・自治体から
憲法に熱い思いをこめる関口博国立市長と懇談
東京自治労連


 昨年4月に当選した東京・国立市の関口博市長は、憲法をまもる立場から平和を積極的に発信しています。東京自治労連・堤敬委員長が「憲法・平和」について懇談しました。
堤委員長 市民のために憲法を市政に生かしていく決意をお聞かせください。
関口市長 私が8年前に議員になったきっかけは、平和を地方から発信したいという思いでした。市政のなかでやってきた基本は憲法です。すべてのことが前文に書かれています。前文をきちんと読めば、実効あるものとしたのが9条であり、思想信条の自由であり、19条、20条、21条につながっていくわけです。首相をふくめ公務員は、99条で定められた憲法を守る義務があります。平気で踏みにじることは許されないことではないでしょうか。
 憲法が制定された過程をみれば、世界に誇れるものであり、日本が誇るものとすれば憲法です。実態にあわないから変えるのではなく、実態を憲法の理想に近づける努力、本格的な姿にしていくこと、それに対して法整備していくことが政治に求められていることだと思います。
堤委員長 憲法を守る首長が引き続き誕生したことに全国の自治体労働者は勇気づけられました。

▲握手する関口市長(左)と堤東京自治労連委員長(右)

住民とともに歩む自治体労働者・労働組合から
「私たちはモノではない」と訴え「雇い止め、派遣移籍」を撤回
宮城自治体一般労組 石巻市 臨時・パート保育士分会


 東北の大河、北上川が太平洋にそそぐ地の石巻市。2005年に1市9町が合併し人口17万人、宮城県で2番目の規模の市になりました。
 昨年の9月末、石巻市にはたらく99人の臨時・パート保育士が組合に加入し、市当局の「雇い止め・派遣移籍」提案を白紙撤回させました。このたたかいは、自治体とその関連職場で働く多くの非正規労働者に大きな勇気と元気をとどけました。市議会で一度可決された「派遣移籍」が、団体交渉の席上で「脱法との指摘」が判明し、市議会も再審査で修正し、市長も保育士さんたちに謝罪しました。
 12月15日の「白紙撤回の勝利のつどい」で、阿部眞智子分会長は「毎日の激務で体もヘトヘトですが、みなさんのおかげでここまで来ました。勉強会には県外からも支援にきていただき、団体交渉の時には本当に心強く思いました。歩きはじめたばかりの分会ですが、がんばって組合員の輪を広げていきたい」と声を詰まらせて語りました。労働組合と出会い、学習を積み重ね、自らの役割の大きさを知り、労働者としての尊厳を求めて勝利したたたかいでした。

▲「好きな職場でイキイキ働ける環境をつくりたい」と保育士さんたち


「賃金底上げ」「住民の安全・安心」で全自治体と懇談
自治労連 三重県本部


 「臨時職員の実態調査なら、小さな県組織や自治体一般でもできるかもしれない」と、埼玉、愛知の経験に学んで実施した1年目。「三重でできたことは、日本中どこでもできる」と少し自信を持った2年目。3年目の昨年は、「非正規の賃金底上げ」「公契約・民間保育所など間接雇用の実態」「介護・医療など住民の安全安心」「財政健全化法の意見書提出要請」で、県下30自治体すべてと懇談しました。
 全自治体の比較表をもとに実施した懇談では、(1)前年と比べ半数近い14自治体で時給改善、通勤手当や年休・特別休暇付与なども改善され、多くの自治体で改善の意向が確認できた、(2)税金投入されている間接雇用職場は自治体ごとに大幅な違いがあることが具体的にわかった、(3)介護丸投げ・医療破壊が進んでいる、(4)三位一体改革で「町が壊れる」と小泉政権以後の貧困・地方切り捨てに対し怒りを共感し、自治体との共同の条件があることがわかったなど、いっそうの自信が持てました。
 三重県本部ではこのとりくみを、県内4地域に確立した分室(中勢伊賀・北勢・南勢・牟婁)が中心となり、みえ労連や地域労連とともに実施、今年も調査・要求実現・組織拡大を追求していきます。

▲非正規職員の賃金引き上げなどで県下すべての自治体と懇談する要請団



激動の年にあたって
なくそう貧困、いかそう憲法、地方自治の拡充
自治労連中央執行委員長 大黒作治


民意が示した国民が安心してくらせる政治に転換しよう

 新年明けましておめでとうございます。
 組合員・ご家族の皆様には、穏やかな正月をお迎えのことと存じます。
 昨年は、参議院選挙で国民の意思として自公政治ノーという審判を下し、与野党逆転を果たした大変意義深い年でした。しかも、民意は、戦前回帰の改憲政治を拒否し、構造改革路線で拡大した「貧困と格差」の解消を求め、新しい政治の流れを探求しています。
 秋の臨時国会では、被災者生活再建支援法の改正、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の凍結・見直しの検討、テロ特措法の期限切れで自衛隊を海外から引き上げさせるなど、民意が政治を動かす力となって表れています。
 新テロ特措法をめぐって、福田内閣は、臨時国会を再延長し、正月明けにも衆議院での再議決を強行する構えを崩していません。
 民主党は、福田首相と小沢代表との密室談合による「大連立」を形の上では踏みとどまったとはいえ、直後から国会運営上にこれまでと違う姿勢をにじみ出しています。「大連立」構想は、自衛隊の海外派兵の恒久化や改憲、消費税の増税などに踏み込みました。「2大政党制」の行きつく先が、改憲を許さず、暮らしの向上を願う国民に背を向けるものであることは明らかです。
 08年国民春闘は、大企業がバブル期の2倍以上の利益を上げているもとで、勤労者の所得は9年連続引き下げられ、「官製ワーキングプア」も大量に作られてきているなかでのたたかいです。国民の「貧困の撲滅を」の声を背に受けながら、「なくせ貧困、ストップ改憲、つくろう平和で公正な社会」をスローガンに、年明け早々から果敢にたたかいます。
 07年秋年闘争で自治労連の多くの単組は正規・非正規が力を合わせて、目に見える形で、改善にむけて前進させてきました。
 自治労連は08年春闘で、秋年闘争で築いた到達点に立って、賃金底上げ、最賃、公契約などの実現に向けて、官・民の連携を強めてたたかいます。
 また、公立病院の統廃合、独立行政法人化、指定管理者制度の導入などの攻撃に対して、医師・看護師不足の解消やいのちを守る公立病院の存続・充実を求めて集中したとりくみを展開します。
 さらに、憲法を守るたたかいでは、学習、宣伝、一人10筆署名などに旺盛にとりくみ、5月連休明けの「憲法キャラバン」を大きく成功させます。
 いつ解散・総選挙があってもおかしくない政局にあって、要求実現の運動と政治の転換を結んで、今年も勇躍してたたかいましょう。



中村和雄さんで命と暮らしを輝かそう
京都市長選挙 2月3日告示 2月17日投開票
 
『市政刷新』待ったなし! 合言葉は“FOR”
Fair 公正・公平な市政へ
Open 公開・透明 市民参加を拡大
Right 人間らしく生きられる市政へ


 今年2月におこなわれる京都市長選挙は、「京都ショック」という言葉に示されるように、その時々の国政と政治情勢に大きな衝撃を与えてきた、まさに「地方自治の砦」ともいえる大切な首長選挙です。
 弱肉強食をすすめた「構造改革・規制緩和」による貧困と格差の拡大に、国民の怒りが表れた参議院選挙と激動する情勢のなか、福祉・暮らしの切り捨て、続発する犯罪・不祥事など、国政でも京都市政でも共通する問題が焦点となっています。とりわけ広がる格差と増える負担、教育への競争・選別の持ち込みなど、市民の願いに応えることなく、貧困と格差の拡大にいっそう拍車をかけているのが現京都市政です。
 京都市職労がとりくんだ市政評価アンケートでは、「国保・介護の負担軽減」要求がダントツで、市民の命と暮らしにかかわる悲痛な声や市政への不満・批判が明らかになりました。同時に、京都自治労連も参加する国保料引き下げ署名運動では17万筆以上が集まっており、市民の切実な願いが強く大きくあらわれています。いま、京都市政に求められていることは、不祥事の温床ともいえる同和行政の完全終結と、市民が積極的に参加できる市政運営、そして何より一人ひとりが憲法で保障される人間らしく生きる権利を享受できる社会です。
 中村和雄さんは、立候補を表明後、すでに3万6000人以上の市民に訴え、対話と共同を広げています。弁護士として22年間、正義をつらぬき、弱い人々の立場に立ってこられた中村さんだからこその活動です。京都自治労連は、いち早く中村さんの推薦を決め、京都市長選挙勝利を春闘のひとつの柱に定めました。中でも公約に掲げる公契約条例の制定に大きな期待を寄せて「自治体からワーキングプアを生み出さない」をかけ声に、全単組一丸となってとりくみをすすめています。
 「日本の夜明けは京都から」―いよいよ市民の命・暮らし、憲法・地方自治が輝く京都市政が誕生します。





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2008年大河ドラマの舞台に 鹿児島県指宿市
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