自治労連機関紙
2007年3月号 Vol.400

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1996年、埼玉県のある自治体の水道が全面ストップされました。クリプトスポリジウムという原虫に浄水場が汚染され、人口1万4000人の町で約9000人が集団下痢の被害にあったことに起因するものでした。埼玉県衛生研究所が原因を解明、異常なほどの感染の広がりから汚染経路を「水道水」と推察、調査した結果の措置でした。
衛生研究所は、文字通り、県民の健康と命を守る仕事を行っています。山口さんの専門は、臨床微生物です。事件が起こったときは、専門分野の各頭脳がチーム一丸となって感染の拡大を防ぐためにフル稼働。「いかに速く原因を究明するか、それ無しには、何の手立ても生まれない」からです。この事件の当初は、なんと、感染防止のために手洗いが推奨されていました。しかし、その水道水が病原体に汚染されていたのです。原因解明が1日でも遅れれば、その分だけ被害が大きくなります。そのため、日ごろの研鑽がものをいいます。また、24時間の緊急体制も強いています。アメリカの炭疽菌テロ事件が起きたときは、不測の事態を想定して衛生研究所ではすぐに検査体制を確立したそうです。
今、専門家の間での一番の関心事は、高病原性鳥インフルエンザです。14世紀にヨーロッパで流行したペストや20世紀初頭に全世界で猛威をふるったスペインかぜ(インフルエンザ)などと同じようなパンデミック(爆発感染)の危険があるからです。「すくなくとも新型インフルエンザ大流行への導火線には火がついています。ただ、誰もその長さとスピードがわかりません」と、山口さんは真面目な顔で話してくれました。WHO(世界保健機構)を中心に全世界で研究されているそうです。
日常的な感染予防策は、やっぱり、うがいと手洗いとのこと。石鹸で良く手を洗えば、食中毒や風邪などの感染症の発生は大幅に減るそうです。ただし、1分ぐらい掛けて、指と指の間、そして見落としがちな親指もしっかりと。
山口さんのもうひとつの顔は、県本部委員長です。生活のすべてに関わっている憲法と、住民のくらしに直接関わるのが自治体労働者。だから、労働組合の中でも特に私たち自治労連が「憲法改悪を許さないたたかいの中心にならなければならない。ここががんばり時」と、力強く話してくれました。
▲研鑽と技術向上のための細菌研究会であいさつする山口さん |
▲さいたま市にある研究所 |



