2007年新年号 Vol.398

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私は、2005年9月から1年間、JICA専門家として、南インドのハイデラバードに滞在した。任務は、同都市の中心部に位置する湖の水環境改善(インド国フセインサガール湖水環境修復管理能力強化プロジェクト)に関するアドバイザーであった。
ハイデラバードは、近年IT産業を中心として急成長している人口600万人のインド有数の都市である。ここは、比較的安全であったこともあり、4、5月の酷暑期にやたら蚊が多かったことを除けば、割と生活しやすい都市であった。しかし、1年間の滞在を終え、改めてインドという国を一言で集約するとすれば、「知れば知るほどわからなくなる国」ということである。
8000メートル級の山々や砂漠、熱帯地方を含む多様な地理特性と第2次世界大戦後までイギリス統治下にあった歴史を持つ国。また、10億人を超え、なお増え続ける人口と、州ごとに異なると言われる現地語(方言というレベルではない)、多数派のヒンズー教徒と、イスラム教徒、及びその他の宗教が微妙なバランスで共存している国。そして、理数系の優れた研究者やエンジニアを数多く輩出し、国民の1割が既に先進国並の生活を送る一方で、今なお非識字率が3分の1に達し、多数のホームレスやスラム居住者がいる国。さらに、陽気で、「ノープロブレム」を連発する大雑把さと議論好き(理屈っぽさ)が同居する国民性…。誠に、インドは多面的で懐が深い国である。まともにこの国に付き合うと、好きか嫌いかは別にして、多大なエネルギーを要する(要するに疲れる)。これが私の正直な感想である。
この先、再びインドを訪れる機会があるかどうか、現時点では分からない。もし、かの地に再び足を踏み入れたなら、その時はある種の懐かしさを感じるのだろうか。それとも、また新たな衝撃を受けるのだろうか。一つはっきりしているのは、インドは、私にとって、「(距離は)遠いけれども、(心理的には)近い国」になったということである。
▲ガネーシャ(ヒンズー教の神様の1つ)の像 |
▲ハイデラバードの旧市街地 |


