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自治体の仲間

 

2007年新年号 Vol.398


「幸福の黄色いハンカチ」がはためき続ける夕張を
−住民が再建に立ち上がる−

お年寄りから子どもまで笑顔でくらせる街に

 財政再建案にゆれる夕張市。憲法と地方自治法を無視して、住民サービスを切り捨て、全てを住民と職員に押し付ける夕張市当局の「財政再建の基本的枠組み案」は、赤字自治体への破綻法制の地ならし、見せしめにしようと国が画策するものです。これを許せば全国に波及することは必至です。12メートルの積雪の地、かつて炭鉱でにぎわった街夕張では、「お年寄りから子どもまで、笑顔でくらせる夕張を再建しよう」と、住民が立ち上がっています。


▲夕張の決意を象徴するかのように、高校生が、圧政に苦しめられ、そして立ち上がった民衆を讃えたシベリウス作曲の「フィンランディア」を演奏


国策に翻弄され続ける炭鉱の街

 夕張の歴史は、国策により北海道炭鉱鉄道会社(北炭)が1890(明治23)年に開発を着工し、また、国策による石炭から石油への「エネルギー政策」の転換で、廃坑に。そして北炭が残した土地・住宅(炭住)・病院などは市が買い上げました。また、トップダウン型の市政は、国が推進したリゾート開発ブームに便乗して倒産した施設をも買い取りました。
 文字通り、国策に翻弄され、後は野となれ山となれ式の悪質な企業論理の後処理対策がつい最近まで住民を襲い続けました。
 住民不在の市政と国と道がもたらした赤字は360億円。20年で返済するという再建案は、夕張のすべてを全国最低基準にするというものです。国は自らの責任を棚上げし、国民のくらしと安全を守るという、国の責任を放棄。まさに住み続けられる保障のない「夕張ゴーストタウン化」計画です。

みんなの力で北国に春を

 06年12月17日(日)夕張市で、「夕張再建をめざすつどい2」が開催されました。市民・学者・労働組合などが一体となって、希望を持ってくらし続けられる再建案を考えようと、開催されたものです。
 存続も危ぶまれる夕張高校の吹奏楽部が、文字通り励ましと希望を込めて演奏した「北国の春」に大きな拍手が沸きおこりました。参加者は、「市長は住民の顔を見ていない」「再建案には住民サービスの削減と負担増しか書かれていない」「企業は政治献金だけではなく社会的責任を」「85%の職員が辞めたいと言っている自治体で、再建ができるわけがない」など行政に対する批判や再建案に対する怒りが続出。と同時に、「去るも地獄、残るも地獄。このままでは終われない。発展の基礎は夕張にこそある」「何年か後には住んで良かったと思えるような夕張にしていきたい」。そこには、夕張に住み続けたい、みんなで力をあわせようとの思いが満ち溢れていました。

文化としての歴史遺産とシネマ

 夕張は、映画の街です。いたるところにシネマ文化が香り、それをはぐくむ住民の理解があります。また、石炭博物館には全国で唯一の本物の坑道・採掘現場もあり、疑似体験ができる歴史遺産です。これまでただの観光施設として運営されてきました。かつての炭鉱マンと住民との運動で、文化遺産として再建させよう、再建のシンボルにしたいとの機運も高まっています。
 これからが本格的な厳しい白い季節。それを乗り越えて幸福の黄色いハンカチが大空いっぱいにたなびく季節が到来するときこそ、住民の声が響くときです。


▲市内のキネマ街道にはあちこちに名作の看板が
▲赤字の原因を解明することで、明日の希望も見えてくる

「黒いダイヤ、石炭の歴史と夕張炭鉱の役割は大切な遺産です。ぜひ後世に残したい」と語る元館長(学芸員)青木隆夫さん(左円)


自治労連
住民への激励と連帯を

自治労連中央執行委員
林 克 政策運動局長
 自治労連本部と北海道自治労連は現地調査に入り06年12月17日(日)のつどいに参加。「住民全体の奉仕者としての使命を帯びている自治体労働者の組合として、全国の仲間に呼びかけて知恵も力も出し合い、みなさんと共に奮闘したい」と連帯を表明しました。


2007年、歴史の転換期に想う
自治労連中央執行委員長 駒場 忠親
 


 新年明けましておめでとうございます。
 12年ぶりに参院選といっせい地方選挙が同時に行われる年ということもあり、緊迫した年明けになりました。労働組合としての役割を発揮したいと年初に当たり感じたところです。
 さて、2007年は日本国憲法が施行されてから60年目という節目の年になります。おりしも時代は教育基本法の改悪に続き、改憲のための手続法が国会に上程され、「戦争する国」と「平和な国」をめぐる竿頭に立つ局面にあります。日本経団連は将来構想「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)で、戦力不保持を定めた第9条2項を見直し自衛隊の保持を明確化するよう求め、横暴さをむき出しにしています。
 教育基本法を終戦直後まとめた東京帝大南原繁総長が残した言葉があります。「今後、いかなる反動の嵐の時代が訪れようとも、何人も教育基本法の精神を根本的に書き換えることはできないであろう。なぜならば、それは真理であり、これを否定するのは歴史の流れをせき止めようとするに等しいからだ」。南原繁総長は日本国憲法の制定にも役割を発揮し、この精神はいまなお広い有識者層のところで息づいています。日本国憲法で明記された憲法尊重擁護義務を負う職員で構成する自治体労働組合として、これらを糧に憲法を守り生かすたたかいで力を尽くす決意です。
 2007年は同時に戦後初めて全国自治体産別組織が、当時の全公連、都市同盟の合同により結成されてから60年目という節目の年でもあります。歴史のプロセスを経て1989年に自治労連が生まれ、「地方自治憲章案」や「自治体労働者の権利宣言案」を武器に自治体労働組合としての存在感を高めていることは皆さん自身が体験しているところです。歴史の転換期で自治労連が意思統一している運動課題は4点です。第一に憲法を守り生かすたたかいを、存在意義をかけてたたかう。第二に「こんな地域と日本をつくりたい」の対話と共同で公共性を再生させる。第三に30万自治労連の組織建設をめざす。第四に参院選やいっせい地方選挙で政治の流れを変える、というものです。自治労連はこれらの課題を軸に自治体労働運動の新たな歴史を育みます。
 ところでいまから110年前の1897年、片山潜、高野房太郎らが呼びかけ、労働組合期成会発起人会が開かれました。労働組合運動の歴史の始まりといわれているものです。結成の根底にあったのは雇用や給与の支払い問題でした。あらためて労働組合の原点である要求について考えさせられました。
 昨年末、群馬・玉村町の臨時・嘱託職員203人の雇い止めを現地の自治労連の仲間たちが中心になり撤回させました。
 「職場がギスギスしてくると、誰のために仕事をしているのか不明確になる。市民のために仕事をするべきところが、自分を守るための保守的な仕事しかできなくなる」。これは自治労連のある単組が行った職員アンケートに寄せられた一文です。住民に奉仕する役割が発揮できない現実、そして雇用不安や「働く貧困層」といった社会問題が実は公務職場にあるのだというリアルな現実がこれらには示されています。
 節目の年に当たり、あらためて労働組合の主人公である一人ひとりの組合員に寄り添った、そんな自治体労働運動をめざす決意を固めています。



日本国憲法は生きている
憲法に立脚し、自治体労働者の真価をいま発揮していこう

 憲法は、恒久平和、幸福追求権・生活や教育・勤労の権利など私たちの毎日の生活の中に、そして私たちの体内にみずみずしくとうとうと流れています。今ほど「憲法を守り生かす運動」が全体の奉仕者である自治体労働者に強く求められているときはありません。全国各地で、憲法に立脚し、住民のために、住民と共にたたかう仲間を紹介します。

第9条 戦争の放棄、戦力の不保持
平和への想いを灯そう
レディース9条の会 山口 宇部市職労

 レディース9条の会は、のべ3000人を超える参加者で大盛況だった、組合の第20回「ともしびまつり」のバザーに出店しました。“9の字”型の9条クッキーと電池で輝く9条バッチを販売、文字通り「ともしびまつり」会場に平和を灯しました。
 また、9条の会ニュースの配布や、まつりの参加者に木の葉型の紙製リーフに平和の願いを書いてもらい、みんなの想いを飾りつけたタペストリーを作成しました。おかげさまで平和のリーフがいっぱいになりました。

▲たくさんの平和の想いに触れました
▲みんなで学習もしています

第15条 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない
公務労働者としての使命を果たそう
京都市職労

 職員による犯罪・不祥事が続発した京都市。その背景には、同和運動団体に職員の採用を丸投げにするなど、行政としての主体性をなくし、毅然とした態度をとらなかった歪んだ同和行政があります。1993年からこうした採用制度の廃止を要求し、2002年にはこの制度を廃止させ、京都市長選挙でも同和行政を争点にたたかってきた京都市職労。
 世論が沸騰した昨年の8月には「市民とともに不正のない京都市政を」と緊急報告集会を開き、秋には「市職労新聞市民版」とともに7回目となる「京都市政へのあなたの評価、意見アンケート」を実施し、約35万枚を配布しました。連日300通近くが返送され、すでに8000通を超えています。自由記入欄には「市長は交代すべき」と市長への怒りの声とあわせ、「組合としての責任は」などの厳しい意見が寄せられています。同時に、「医療費や国保料を下げてほしい」など、生活にかかわる「叫びの声」が書き込まれているのも今回の大きな特徴です。
 京都市職労は、犯罪・不祥事の根絶と市政の信頼回復に向け、これまでの運動を総括しながらさらなる職場の民主化を進めるとともに、市民との共同で市政を刷新させるたたかいの先頭にたって奮闘しています。

▲市民版1面
▲市民版4面
▲連日市民からアンケートが返ってきます 

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する
公務員であっても国民としての権利・自由がある

 2004年3月、休日に自宅周辺の民家やマンションに政党ビラを配布した社会保険庁職員が、国家公務員法・人事院規則に違反するとして逮捕・起訴された「国公法弾圧堀越事件」。昨年6月、東京地裁は「執行猶予付きの罰金」という不当な有罪判決を下しました。葛飾区・世田谷区でも、市民へのビラ配布が「住居侵入にあたる」とする、言論と表現の自由を弾圧する事件が相次いでいます。憲法21条では「言論・表現の自由」をすべての国民に保障しています。公務員であっても国民の一人として意見を持ち、それを表明する自由は保障されるべきものです。ILO151号条約でも、公務員の市民的及び政治的な自由が保障され、いまや公務員の政治活動は国際常識です。政府に対する批判を抑え込み、「もの言わぬ公務員」をつくり出そうとする流れのもと、誰でも自由にものが言える社会であり続けるために、弾圧を許さない「会」の結成や控訴審など、たたかいは続きます。

 

第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う
私たちは、一所懸命に働きたい
臨時・嘱託203人全員の「雇い止め」通告を撤回させる!(群馬県玉村町)
群馬県自治体一般労働組合  

 群馬県玉村町の当局は昨年11月15日、(1)臨時・嘱託職員203人全員を07年3月31日で「雇い止め」とする、(2)業務は民間委託又は派遣で対応する、(3)民間企業に移籍し、今までどおり働いてもらえるようにしたい、と通告してきました。
 群馬県自治体一般労組は、町長出席の団体交渉を昨年11月30日に設定させ、ビラをつくり町の職員や臨時・嘱託職員に配布しました。午後7時半からおこなわれた団体交渉には、まだ組合に加入していない職員も参加し組合側約70人、当局側も町長・助役・総務課長のほか課長・主任等40人以上が出席する大型の団体交渉となりました。
 臨時・嘱託職員から、非人間的だとの怒りの発言や、派遣や請負では仕事はうまく回らないなど、猛烈に反発する発言が相次ぎました。町長は現場職員の迫力におされ「この場で方針を曲げるわけには行かないが、みんなと相談して改めて回答する」と再交渉を約束。この内容は、地元紙や全国紙もとりあげ、「町の対応は許せない。『一所懸命働いたのに、冷酷だ』と涙ながらに訴える職員もいた」と報道しました。「子どもたちのために、安心して働きたい」との想い、「場所の確保が無理なのはわかっているから、時間だけでも昼休みを保障してほしい」と切実な訴えが、議会や庁内、地域に大きな影響を与え、議会内でも方針変更を迫る動きが強まりました。そして、12月13日の2回目の町長団交で、町長は臨時・嘱託職員70人の前で、「07年4月以降も例年通りとしたい。みなさんに不安を感じさせたことをお詫びしたい」と雇い止めの撤回を表明しました。
 快挙ともいえる1カ月のたたかいの中で、新たに12人が組合に加入しました。

 

第92条 地方自治の本旨に基づいて
自分たちの意思で街の将来を決める

 動く原子力発電所、原子力空母配備の是非を問う住民投票条例の制定を求める署名運動が、昨年12月10日に終了しました。署名を集めることができる受任者は2000人を超え、法定の1カ月で集めた署名は4万1551人分。市内有権者の約12%、必要な有権者数7200人分を遥かに超える数です。選挙管理委員会に署名を提出した12月15日、住民投票運動の第1ステージは終了。2月初旬には横須賀市議会で審議されることになります。
 大きく成功した住民投票運動は、議会で条例化されてはじめて結実します。

▲「原子力空母はいらない」がみんなの声
 


一人ひとりの訴えで
世論は必ず変えられる
神奈川・三浦市職労
塩崎 健司さん
 「今は忙しいから署名できないと言う人もいますが、果たしてその用事が原子力空母母港化のことより本当に大切なことなんでしょうか。母港化になったら、それを撤退させるための労力は今の何倍も必要です!」と訴える青年の言葉に感銘し、私は運動に参加しました。
 署名を訴えてもなかなか話を聞いてもらえませんでしたが、署名をしてくれる方もたくさんいて、そのときは寒い中頑張ってきて本当に良かったと思いました。
 しかし、今やっとスタート地点に立ったところです。これからが踏ん張りところです。1人ひとりの訴えで世論を変えていくことは、必ずできます。みなさん、ともに頑張っていきましょう。



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13年で、67万人がこの港から日本に
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