財政を通じた「行革」の押し付けを許さず、公務公共サービスを支える地方財政の拡充を求める~総務省の2016年度地方財政に関わる概算要求について

                        2015年9月15日

日本自治体労働組合総連合

書記長 中川 悟 (談話) 

 総務省は、「骨太方針2015」(6月30日閣議決定)に基づき、8月28日、地方財政に関わる2016年度の概算要求を発表した。これによると、地方の一般財源は「平成27年度地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保」するとして、地方交付税は16.4兆円を要求するとともに、「平成28年度において、引き続き巨額の財源不足が生じ」るとして、交付税率の引き上げを要求している。また「ローカルアベノミクスの取り組みをさらに加速させる」として、地方団体が「地方創生に取り組めるよう支援」するとともに、「公的サービスの産業化」を打ち出す「骨太方針2015」に沿って、「地方団体の業務改革の推進」を図るとしている。

 地方自治体の深刻な財源不足を解消するためには、「総額で前年度と同水準を確保する」にとどまらず、「三位一体改革」で削減された地方財源を元に戻す抜本的な措置が必要である。地方交付税を16.4兆円とする要求額は、地方税収の増額を見込んで今年度の16.8兆円より2%削減するものであり、地方財政の改善にはつながらない。さらに問題なのは「骨太方針2015年」で、地方交付税の算定において、アウトソーシング等に取り組む自治体の「先進事例」を算定に反映させる「トップランナー方式」を導入するとしていることである。「まち・ひと・しごと創生事業費」で「行革」努力を反映する算定も、地方から厳しい批判の声が上がっているにも関わらず拡大しようとしている。

 そもそも地方交付税の算定は「標準的条件を備えた地方団体が合理的、かつ、妥当な水準において地方行政を行う場合又は標準的な施設を維持する場合に要する経費を基準」(地方交付税法第2条の6)として行うものであり、民間委託等を極端に進める自治体の経費を基準にするのは、地方交付税制度を根幹から変質させるものである。「トップランナー方式」については、全国知事会の山田会長も「地方交付税制度では標準的経費という形で算定をされているわけであり(中略)、単に交付税を削るための理屈になってしまうのではないか」(6月17日国と地方の協議)と危惧を表明している。

 自治労連は、地方財政について、①「三位一体改革」で減らされた財源を元に戻すこと、②地方交付税は法定率を抜本的に引き上げるとともに、「行革努力の反映」や「トップランナー方式」の導入など地方自治への介入を行わないこと、③「地方創生」の名による国の施策の押し付けをやめ、地域循環型の経済、住民福祉の充実など、地域の再生につながる支援策を国に求め、地方団体や自治体首長とも共同を広げる取り組みを進めてきた。自治労連は引き続き、2016年度政府予算において、財政を通じた「行革」の押し付けを許さず、住民生活を守るために、公務公共サービスを支える地方財政の抜本的な拡充を図ることを求めてたたかうものである。