地域医療のさらなる崩壊を促進する

「新公立病院ガイドライン」に反対する 

2015年4月3日

日本自治体労働組合総連合

書記長 中川 悟(談話)

 

 総務省は3月31日、「新公立病院ガイドライン」(以下「新ガイドライン」)を発表した。これは「公立病院ガイドライン」(以下「前ガイドライン」)(2007年)により、各自治体が「公立病院改革プラン」を策定し、経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しに取り組んだ結果を評価したうえで、さらに「公立病院改革」をすすめるものである。すでに、再編・ネットワーク化は189病院が参画、経営形態の見直しは267病院で実施されている。「公立病院改革」がいかに地域医療を崩壊させてきたかは、東日本大震災等の災害時でも明らかになってきている。「新ガイドライン」は、地域医療のさらなる崩壊につながるものであり、断固反対を表明するものである。

「新ガイドライン」の基本的考え方は、「前ガイドライン」と変わらないとしており、既に再編・ネットワーク化や経営形態の見直しに取り組んでいる場合であっても、取り組み状況や成果を検証して、「新公立病院改革プラン」(以下「新改革プラン」)を作成し、病院機能の見直しや病院事業経営の改革に総合的に取り組むとされている。その策定の視点はこれまでの「経営効率化」「再編ネットワーク化」「経営形態の見直し」に「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」を加えた4点としており、昨年成立した「医療介護総合推進法」により、今後2年間かけて各都道府県で策定される「地域医療構想」と併せて進められることとなり、医療供給体制の見直しや病床削減計画等に大きく左右されることは明らかである。

 また、公立病院に関する地方財政の見直しにも言及しており、新設・建替えに伴う地方交付税措置には地域医療構想との整合性が求められ、さらに、これまでの病床数に応じた地方交付税措置を稼働病床数に変更する等、財政での締め付けにより「公立病院改革」を進めようとしているものである。これは、社会保障を公的責任から自立・自助を基本に変質させる社会保障推進法をさらにすすめ、「地方創生」の名のもとにすすめられる、地域破壊を地域医療体制の崩壊によりさらに促進するものである。

 日本共産党吉良よし子参院議員は、3月3日に行った自治労連医療部会との懇談を受け、6日の総務委員会で「新ガイドライン」にかかわって、「病床稼働できないのは医師・看護師の不足が原因であり、これを放置して病床削減すれば地域住民の命と健康を守れない」と強く批判した。

自治労連は、地域医療のさらなる崩壊を許さず、全国どこでも、いつでも、だれでも、必要な医療が受けられる体制を確立するため、医師、看護師等人員の確保も含め、さらに充実した医療が提供できるよう地域住民と共同した運動をさらに進めるものである。