国会決議に違反し、くらしと地域を破壊するTPPの批准を行うな(談話)

2016年2月9日

日本自治体労働組合総連合

書記長 中川 悟

 

 TPP(環太平洋連携協定)は2月4日に調印を行い、各国での批准作業に移った。安倍内閣は、TPPの交渉過程を秘密にするとともに、「大筋合意」後もその全容を示さないまま、国内への影響額を過少に見積もった「TPP対策費」を盛り込んだ補正予算を通過させた。約2900ページとされる膨大なTPP協定や付属書も、調印直前の2月2日になってようやく公表するなど、国民に内容を精査する時間も与えないまま調印を行い、国会に批准を求めようとしている。

 調印されたTPPは、米麦での輸入枠を拡大し、牛・豚肉での関税を引き下げるなど、国会決議が「聖域とすること」と求めた重要農産品5品目のすべてで大幅な譲歩を行っている。さらに、重要5品目の3割と、その他農産品では、98%の関税の撤廃を合意している。政府が「守った」としている重要5品目の「例外」も、7年後に米国など5カ国と関税撤廃について協議が義務付けられている。いま示されている「合意」は関税撤廃への通過点に過ぎず、今後、すべての農産物の関税撤廃が迫られるおそれがある。また、医療をはじめ国民の健康や安全、くらしを守る様々な規制の緩和を検討するTPPの審議会には、参加国の企業が意見を表明することができ、今後、医療制度をはじめとした規制が緩和されるおそれがある。公共調達などで外国の企業が日本政府や自治体を訴えることができる投資家対国家紛争解決(ISDS)条項もTPPには盛り込まれており、日本の主権と地方自治が侵害されるおそれがある。TPPと並行して行われてきた日米二国間協議では、アメリカから出された規制緩和の要求を、日本の担当省庁が窓口になって規制改革会議に諮るという、主権放棄に等しいことまで行っている。

 TPPは、少なくともGDPで85%以上、6ヶ国以上の批准がなければ成立せず、米国と日本のいずれかが批准しなければ協定は成立しない。米国では、大統領選挙の有力予定候補者は、全員がTPP「大筋合意」に反対している。

 自治労連はこれまで、中央、地方組織で「TPP交渉からの撤退」を訴え、各地でJAや医師会、経済団体など広範な団体との共同を広げてたたかってきた。TPP交渉に反対する世論は、立場の違いを超えて広がり、地方議会では全国44の道府県議会と、8割を超える市町村議会で「TPP交渉参加反対」「交渉参加するかどうかは慎重審議を」「国会決議を守れ」など、国に対する多くの意見書が採択された。昨年10月のTPP「大筋合意」の後も、憲法キャラバンなどで多くの首長から、政府に対する怒りや不満の声が寄せられている。

 自治労連は、国会決議に違反し、国民のくらしと地域を破壊するTPP協定の批准を行わないことを求め、引き続き、広範な国民と共同を広げてたたかうものである。