改正マイナンバー法が昨年9月に成立して以降、10月5日からの番号通知開始、2016年からのカード発行開始と、極めて短期間の通知・制度周知自体に無理があり、自治労連は改正マイナンバー法の成立そのものに抗議することとあわせ、制度の延期を求める談話を出してきたところです。

 私たちが懸念したとおり、「番号通知の遅れ」「国民の制度の理解が進んでいない」「制度を悪用した詐欺の発生」などが起こり、内閣府や自治体に住民からの問い合わせが殺到し、自治体は国の施策に翻弄されながら対応に追われています。

 政府からは、取扱い事務処理に関する要綱や住民や事業所からの問い合わせに対するマニュアルなど後手に回り、不安を抱える住民に対し自治体職員は窓口で対応に苦慮しています。マイナンバーを関係書類に記載する説明責任はあっても、記載が義務ではないことなどから、現場では「どう対応すればいいのか」と、悲鳴とも言える声が出ています。さらに、慢性的な人員不足の中で応援態勢も十分でなく業務が煩雑となっています。

 他方、自治体職場だけでなく、公務公共職場では就業規則を改正し職員に個人番号の申請を義務づける動きも出ています。

 自治労連はこの度、対政府、対自治体への要求ポイントについてとりまとめました。

 要求のポイント

(1)対政府要求

①政府は、個人情報の一元化による人権侵害(憲法違反)につながるマイナンバー制度は、運用の停止、廃止をすること。

②当面制度が存続するもとでは、

ⅰ)マイナンバー制度に関わるシステム開発費用、運用に関わる人員配置(増員)などに伴う財政は100%国が措置すること。

ⅱ)マイナンバーの利用項目や運用の拡大を行わないこと。

ⅲ)現行制度で運用出来るものは各書類への番号記入などは強制しないことを自治体に対して周知すること。

ⅳ)システム導入、運用に係る正確な財政計画を明らかにすること。

 

(2)対自治体要求

①マイナンバーカード発行においては、その正確な利用目的、取得に伴う危険性など制度取扱い、対応の周知、研修を徹底すること。特に、応援対応する職員との齟齬(そご)が起らないようにすること。

②マイナンバーの窓口対応、カード発行など、正規職員で対応させることとし、窓口での混乱が起こらないよう人員の配置をすること。

③基本的人権侵害となるマイナンバー制度で住民管理を行わないこと。

④自治体の負担が大きく、個人情報の一元管理にも繋がるマイナンバー制度を廃止するよう国へ求めること。

⑤条例改正などして独自の情報項目を増やすことなどの利用拡大を行わないこと。

⑥マイナンバーの申告においては申告の有無にかかわらず行政行為、行政サービスの格差は生じさせないこと。住民に番号申告や番号記載を強制しないように対応するとともに職員にも周知すること。

⑦住民や労働者のマイナンバーが漏えいした場合、漏えいした恐れがある場合のマイナンバーの取り扱いを適切に行い責任の所在を明確にすること。

⑧マイナンバーの周知やマイナンバーカード発行にあたっては、注意することが求められるケースが多数存在することから、ケースごとに、年金、福祉、介護などの職場と連携をとることともに、住民に最大限配慮を講じること。 

⑨住民に向けたマイナンバーカードについての過大な宣伝をせず、マイナンバーカード取得によるリスクの説明を十分に行い、必要性については明確なもののみにとどめること。

 

(3)雇用主としての自治体等への要求

①職員身分証とマイナンバーカードの一体化をしないこと。また、マイナンバーカードの取得を強制しないこと。

②各書類への番号記載は義務ではないことから、職員にマイナンバーを「書かなくてもよい」とする選択肢があることを説明すること。

③マイナンバーの管理を厳重にするとともに、目的外使用しないことと、定年、退職等した場合は、速やかに番号を安全かつ確実に廃棄すること。

④マイナンバーで、条例や就業規則改定にあたっては、カード情報が労働者のプライバシーに関わることから、労働組合と協議をおこなうこと。番号申告の強制をしないこと。また、申告しないことによる不利益が生じないようにすること。